3ヶ月に1回以上映画館で映画を観るZ世代は全体の3割
「映画館に行って映画を観る頻度はどれくらいですか?」と質問したところ、「2〜3ヶ月に1回程度」「1年に1回程度」「それ以下」が同率で24.3%、「4ヶ月〜半年に1回程度」が21.4%、「1ヶ月に1回以上」が5.7%となりました。
「1ヶ月に1回以上」映画館で映画を観る人は5.7%と少数で「2〜3ヶ月に1回程度」と合わせてもちょうど3割。Z世代で3ヶ月に1回以上映画館で映画を観ている人は全体の3割程度ということがわかりました。
映画館の一般料金は1800円〜2000円ほどで、学生料金でも1回の鑑賞に1500円ほどかかります。動画配信サービスの月額料金は500円〜1000円がボリュームゾーンで、家族と同居している若年層の場合、家族の契約したアカウントで映画を観れる環境にある人もいるはずです。
映画館で1回鑑賞するよりも安い料金でたくさんの映画を観ることができる動画配信サービスの台頭により、映画好きな人であっても「映画館で観る映画」を厳選していることは想像にたやすいでしょう。
それでは、映画館にわざわざ足を運んで観る映画とはどんな映画なのか?「映画館へ足を運ぶ」ことのフックとなりうるのはどのようなことなのかを次に探っていきます。
映画館利用の鍵は「好きな俳優・声優の出演」と「注目作品」
「映画館で映画を観ようと思うのはどんなときですか?」と聞いたところ、「好きな俳優、声優が出演している」「注目作品が公開されたとき」が共に44.3%で最多となり、次いで「友達、仲間とのおでかけ」が28.6%、続いて「新作が公開されたとき」21.4%という結果となりました。
一方で「映像を大画面で観たい」「良い音響で映画を楽しみたい」を選んだ人の割合は共に12.9%。迫力ある大画面や音響など、映画館という施設の強みによって映画館を利用する人は意外にも少ない結果となりました。
映画館には「友達と行く」人が62.9%でトップ
「映画館には誰と行きますか?」という質問に対しては、「友達」が最も多く62.9%でした。2位は「ひとりで」「家族」で同率32.9%、4位は「恋人」で25.7%でした。
誰かと一緒に映画館に行く場合、同行する相手は「友達」が6割以上で圧倒的に多く、次が「家族」という結果に。
映画館と言えばデートの定番スポットのようなイメージもありますが、Z世代で「恋人」と一緒に映画館に行く人は「家族」と一緒に映画に行く人よりも少ないという結果になりました。
「ひとりで」映画館に行く人が3割以上
また「ひとりで」映画館に行くと回答した方は32.9%で「家族」と同率で2位という結果に。
先日公開した「若年女性のひとり時間の過ごし方」に関する調査レポートでは「ひとりで映画鑑賞をしたことがある」方が38.9%。「複数人よりもひとりでしたいこと」して「映画鑑賞」をあげた方も18.8%という結果になりました。
「ひとり時間の過ごし方」調査では「映画鑑賞」する場所が映画館かどうかは限定しておらず「自宅で配信サービスやDVDで映画を観る」方の回答が含まれる可能性もあると考えていました。
しかし、本調査の結果により、Z世代の女性の3割程度は「ひとりで映画館に行く」ことを楽しんでいることがわかりました。
ポップコーン・ドリンクはマスト?半数弱が必ず利用すると回答
「映画館に行くと必ずやることは、次のうちどれですか?」という質問に対しては、「ポップコーン」と回答した割合が最も多く、48.6%でした。次いで僅差で「ドリンクバー、ドリンク」が45.7%と続きます。その後は数値差があり、「SNSやネット検索で作品レビューを閲覧」は17.1%、「映画の後に外食をする」12.9%、「近日公開作品の情報収集」「出演俳優、声優について検索」10.0%となりました。
約半数の人が必ずやると回答したのが「ポップコーン」「ドリンクバー、ドリンク」などのサイドメニューの注文です。
先にご紹介した「映画館には誰と行きますか?」という質問で、6割以上の方が「友達」と回答したことと合わせると、ポップコーンとドリンクを片手に親しい友人と映画を観る、という若年女性の映画館利用のスタイルが浮かんできます。
映画館で観たいと思う映画とその理由をご紹介
「直近で、あなたが配信ではなく映画館で観たいと思った作品と、その理由を教えてください!」と質問したところ、以下のような回答が集まりました。
劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来(19/70人)
・映像と音を映画館で楽しみたい(15~19歳・高校生・高専生)
・原作を見てアニメーションがどうなっているか気になるから(15~19歳・高校生・高専生)
・鬼滅の刃無限城編 大画面で見ると迫力が違うから(15~19歳・大学生)
・テレビでもかなり迫力があったので、映画で見れるならより楽しめそうだと思った(20~24歳・社会人)
・話題なのでおいていかれたくない(20~24歳・社会人)
・漫画やアニメを見てきたから映画でも見たいと思ったから(20~24歳・社会人)
・作品をいち早く観られることと、映像もかなり迫力があるので映画館一択でした!(20~24歳・無職)
国宝(10/70人)
・見た人みんなが見た方がいい!とか何回も見ている友達が近くにいるから(15~19歳・高校生・高専生)
・国宝 迫力がすごいと友達におすすめされたから(15~19歳・大学生)
・映画館の大画面といい音響で見る価値があると言われたから(25~29歳・社会人)
8番出口(5/70人)
・8番出口 有名なゲームで話題になっていたからいち早くみたかったから(15~19歳・高校生・高専生)
・8番出口。 これは配信やテレビでは臨場感が出ないと思うから(25~29歳・その他)
先にご紹介した「映画館で映画を観ようと思うのはどんなときですか?」という質問では「好きな俳優・声優が出演している」と答えた人が44.3%で最多でしたが、「鬼滅の刃」や「国宝」「8番出口」を映画館で観たい理由として俳優や声優の名前をあげた人は、ほぼいませんでした。
反面「映画館で映画を観る」動機として「映像を大画面で観たい」「良い音響で映画を楽しみたい」と答えた人は共に12.9%で多くはありませんでしたが「映画館で観たいと思う映画」を観たい理由としては「大画面で」「いい音響で」楽しみたい映画だから、という回答が多く集まる結果に。
また「話題なのでおいていかれたくない」「何回も見ている友達が近くにいるから」「友達におすすめされたから」といった声も目立ち、友人の口コミに影響されたり、話題に乗り遅れまいとして映画館に足を運ぶ姿が浮かんできました。
「映画館で映画鑑賞」すること自体が、友達とのコミュニケーション手段なのかも
Z世代が「映画館で映画を観たい」と思うのは、単純に「映画館ならではの映像や音響に触れたい」からというよりも「映画館で観るべき映画だ」という周囲の友人たちの口コミに影響され、人によっては「話題に乗り遅れたくない」といった心理から足を運ぶという側面があるようです。
映画館に一緒に行く相手が「友達」が圧倒的に多いのも、それと同じ流れのように感じます。
友人たちの間で話題になっている映画を観るために友人と一緒に映画館に足を運び、ポップコーンを片手に映画を鑑賞する。その一連の流れが若年女性同士のコミュニケーションの一端となっているのではないでしょうか。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
https://kimetsu.com/anime/mugenjyohen_movie/
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
『国宝』
https://kokuhou-movie.com/
©2025映画「国宝」製作委員会
『8番出口』
https://exit8-movie.toho.co.jp/
© 映画「8番出口」製作委員会
調査概要
映画館の利用に関するアンケート
調査対象者:15歳~29歳の女性70名
調査方法:インターネットリサーチ
調査時期:2025年9月3日(水)~9月17日(水)
執筆:望月直
2000年生まれ。美大付属中高・美大を卒業し、トレンドやアートカルチャーに興味を持つ。自身もZ世代である強みを活かし、若年女性の価値観に迫る。現在はフリーランスのグラフィックデザイナー・ライターとして活動中。



