幅広い層から注目を集めている「平成リバイバルブーム」。当時をリアルタイムで過ごした世代にとっては懐かしく、10代には新鮮なカルチャーとして支持されているという調査結果を前編でご紹介しました。
後編となる本稿では、平成カルチャーの象徴とも言える「ギャル」に対するイメージや、各世代の女性たちが実際に購入している平成グッズなど、消費行動の側面からもその実態を探りました。アンケートアプリcoettoに寄せられた回答を元に、調査結果をご紹介します。
10代・20代・30代女性が「ギャル」に抱くイメージとは?
「ギャルとは、どんな人をイメージしますか?・複数回答」と質問したところ、10代で最も多かった回答は「黒ギャル」で55.2%、続いて「ルーズソックス」が49.0%、「つけまをしている」と「メイクが派手」が同率で41.3%となりました。
20代では「黒ギャル」が37.8%とやはり最多で、「ルーズソックス」と「メイクが派手」が36.0%と同率で続き、概ね10代と似た傾向を示しています。
30代では、「アムラー」と「ミニスカート」が同率最多で34.3%、次いで「ガングロギャル」が31.4%。「ルーズソックス」と「メイクが派手」が28.6%と同率で続きました。
「黒ギャル」と「ガングロギャル」はどちらも日焼けした肌を特徴とするギャルのスタイルですが、黒ギャルは小麦色の肌につけまつげやカラコンなど「盛る」メイクを施すスタイル。
対してガングロギャルは日焼けサロンなどで極端に肌を黒く焼き、白いアイメイクやリップメイクを特徴とするスタイルです。ガングロギャルは主に90年代後半から2000年代初頭に流行していたため、世代による差が出たものと思われます。
本調査では30代の回答数は少ないのですが、30代では「アムラー」や「ミニスカート」など、1990年代のギャルブームを象徴する選択肢を選ぶ方が多く、当時リアルタイムでそのカルチャーに触れていた世代ならではの回答傾向が見られました。
“ギャル”と聞いてイメージするのは、10代・20代は「池田美優(みちょぱ)」、30代は「益若つばさ」
「あなたが『ギャル』と聞いてイメージするのは、次のうち誰ですか?・複数回答」と聞いた結果を各世代ごとにご紹介します。以下、本文中では敬称を省略させていただきます。ご了承ください。
10代女性で最も多くの方が名前を挙げたのは「池田美優(みちょぱ)」で55.9%、次いで「古川優奈(ゆうちゃみ)」が42.0%、「木村有希(ゆきぽよ)」が32.2%となりました。
20代も「池田美優(みちょぱ)」が最多で45.0%でトップ。「益若つばさ」が34.2%、「浜崎あゆみ」と「藤田ニコル」が同率で30.6%、と続きます。
30代になると「益若つばさ」が42.9%で最も多く、次いで「浜崎あゆみ」が40.0%。3位には「舟山久美子(くみっきー)」がランクインしました。
また、各世代で年齢の近いタレントの名前があがっている一方で「浜崎あゆみ」は10代で5位、20代で3位、30代で2位と全世代で上位に。
同様に「安室奈美恵」も10代で4位、20代で5位、30代で4位にランクインし、世代を超えて「ギャルアイコンの元祖」として強い存在感を示し続けていることが感じられました。
平成リバイバルブームにおける、10代女性の消費行動
平成カルチャーとは一般的に、90年代後半から2000年代の文化であると言われます。
現在15歳の方は2010年生まれであり、その時代の文化を実際に体験していたわけではありません。
そんな10代女性を中心に、平成リバイバルブームを受けた消費行動の傾向を探ります。
「平成リバイバルにまつわるものやコンテンツで、購入したものはありますか?(複数回答)」という質問に対して集まった、10代女性の回答を以下にまとめました。
最多は「ルーズソックス」で43.4%、続いて「ミニスカート」が26.6%と続きます。この後も「厚底ブーツ」が23.8%で4位、「レッグウォーマー」が16.1%で6位とファッションアイテムが上位を占めています。
5位は「使い捨てカメラ」で17.5%の方が購入していました。
ファッションアイテムとともに、“エモい雰囲気”が人気の使い捨てカメラが人気を博しているようです。
また「キャラクターグッズ」が15.4%で7位に入り人気のようです。どのようなキャラクターが人気を集めているかについては後述します。
「とくにない」=何も購入していないと回答した方も25.2%いましたが、逆に言えば4人中3人の10代女性が「平成リバイバルブーム」に関連して何らかの消費行動を起こしているということになります。平成リバイバルブームは若年女性の消費行動に少なからず影響を与えていると言ってよさそうです。
10代女性は、ルーズソックス×写ルンですが定番!
前述の「平成リバイバルにまつわるものやコンテンツで、次のうち購入したものはありますか?」という質問をさらに深掘りする形で、「購入したものを具体的に教えてください!」と聞いたところ、さまざまな回答が寄せられました。
10代は修学旅行に写ルンですが定番に!各世代も愛用する平成エモフォト
修学旅行で写ルンです使った(10代後半・高校生)
写ルンです(10代後半・高校生)
写ルンです スマホで写ルンですを一緒に撮ったり写ルンですで撮ったエモい写真をとる(10代後半・短大生)
画質がエモくて写ルンですを持って行った(10代後半・大学生)
修学旅行のときに写ルンですを持って行って使いました!(10代後半・高校生)
クラスの仲が良い友達と写ルンですで写真を撮りました。卒業式前に良い思い出ができました。(10代後半・短大生)
旅行やディズニーに行くときなど、写ルンですを持って行きます!(20代前半・大学生)
写ルンです愛用中です(20代前半・大学生)
写ルンです(20代後半・社会人)
家族と旅行に行く時や、学校の旅行などで使い捨てカメラを使っていた(20代後半・社会人)
iPhone 6を買った(20代前半・その他職業)
チェキ(10代後半・高校生)
フィルムカメラを買った。(20代後半・社会人)
まず、多くの世代から回答が集まったのが、「写ルンです」をはじめとする、平成らしい“エモい”雰囲気を切り取れるカメラ関連のワードです。とくに目立ったのは10代後半の女性からの声で、卒業式や修学旅行などのイベントで思い出を残す手段として「写ルンです」を使っているという回答が多く寄せられました。
さらに、写真を撮るためだけでなく、「写ルンです」を持ってスマホで撮影するなど、写りそのものだけでなく撮影用の小道具としての存在感も含めて楽しんでいる様子がうかがえます。
そのほかにも、「iPhone6」や「フィルムカメラ」といった、あえてレトロな画質を楽しめるアイテムを購入しているという回答も見られ、平成の空気感を再現することに価値を見出している女性が多いことがわかります。
「懐かしい!」が購買意欲に 平成キャラクターグッズが人気再燃
たまごっちを購入して遊んでいる(10代後半・高校生)
たまごっちを購入し友達と育てあっていたのが懐かしくて、ガチャガチャがあれば引いてしまいます(20代前半・大学生)
キティちゃんのストラップ(20代前半・専門学生)
キティちゃんグッズ(20代後半・社会人)
平成デザインのキティちゃんとウサハナのキーホルダー(10代後半・高校生)
ナルミヤキャラクターの服(20代後半・社会人)
ナルミヤのキャラクターグッズ(20代後半・社会人)
メゾピアノの一番くじやファッションアイテム ・写ルンです(20代後半・社会人)
メゾピアノのリュック。女児用のやつで可愛い(10代後半・高校生)
アイカツカード(10代後半・高校生)
アイカツシリーズ×サンリオで、チャーミーキティやウサハナ、ぼんぼんりぼんなどの商品を買いました!(20代前半・専門学生)
プリキュアつい買っちゃう(10代後半・社会人)
300円ショップでラブandベリーのグッズをたくさん購入しました!!(20代後半・社会人)
ラブ and ベリーのカード(20代前半・社会人)
続いて多くの回答が集まったのは、平成を象徴するキャラクターたちです。キャラクターグッズは、懐かしさから思わず手に取ってしまう女性が多いようで、「たまごっち」や、平成リバイバルデザインが人気の「ハローキティ」、さらに記事前編でも多くの名前が挙がった「ナルミヤ・インターナショナルのブランドキャラクター」など、子ども時代の記憶を呼び起こすアイテムに支持が集まっています。
そのほかにも、「アイカツ!」「ラブandベリー」「プリキュア」など、世代ごとに夢中になったアニメキャラクターのアイテムもリバイバルの流れで再び注目を集めているようです。
再注目のファッションアイテムはルーズソックス。平成ギャル気分で楽しむリバイバルファッション
制服を着る時にはルーズソックスを履くことが多いです(10代後半・高校生)
ミニスカートとそれに合うレッグウォーマーを買いました!足の細見え効果期待です笑(10代後半・高校生)
ルーズソックス履いてディズニー行きました。ぎゃるくてかわいい!(10代後半・高校生)
平成ぽい長めのルーズソックス(10代後半・高校生)
友達みんなで遊ぶ時のためにルーズソックスを買いました(10代後半・高校生)
文化祭の時にルーズソックスを履いた(10代後半・高校生)
キティちゃんとルーズソックス(10代後半・高校生)
めっちゃ長いルーズソックスを黒と白の2セット買いました(20代後半・社会人)
10代後半の女性を中心に、テーマパークへのおでかけや友人同士での“リンクコーデ”に、ルーズソックスを取り入れることがトレンドとなっている様子がうかがえます。
ルーズソックスを履いて、「写ルンです」や「チェキ」で写真を撮るなど、平成カルチャーを満喫している姿も見られました。
令和の今、新鮮さと懐かしさを感じられる平成カルチャーは、世代を超えて女性たちの心を掴んでいるようです。
※「写ルンです」は富士フイルム株式会社の登録商標です。
その他の商品・サービス名、キャラクター名、社名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。
※一部、固有名詞や表現につきましては回答いただいた表記のままご紹介させていただいております。正式名称とは異なる場合もありますがご了承ください。
調査概要
「平成リバイバルブーム」に関するアンケート
調査対象者:10代~30代の女性289名
調査方法:インターネットリサーチ
調査時期:2025年3月14日(金)~3月28日(金)
執筆:Kai
ティーン向けファッション誌やWebメディアでのライターを経験。現在はコスメ、ファッション、推し活や韓国カルチャーなど、トレンド情報に特化した内容を中心に執筆活動を行っています。


