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*2021年夏 自社調べ

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K-POPアイドル人気が過熱中?若年女性におけるアイドルに対する嗜好・行動を調査

今や定番化している「推し活」というワード。広く知られるワードとなる一方で、好きなアイドルや推し活としての行動は日々多様化しています。
当社の運営するアンケートアプリ「coetto」の10代後半から20代女性の登録モニターを対象に行った、人気を集めているアイドルや、推し活の実態についての調査結果をご紹介いたします。

かつては男性アイドルと言えばジャニーズ(現:STARTO ENTERTAINMENT)、女性アイドルと言えばハロー!プロジェクト・AKB派生グループなどの活躍が目覚ましく、特に地上波のテレビ番組では、それ以外のアイドルを目にする機会は少なかったように思います。しかし、2024年は多様化が進み、男女共にさまざまなアイドルがテレビをはじめとする各媒体で活躍するようになりました。
そんな多様化が進みつつあるアイドルに、若年女性たちはどのようなきっかけで出会い、どのように応援しているのか、その実態を調査しました。

若年女性に最も人気なのは「K-POP女性アイドル」

10~20代女性212名に対し「あなたはどんなアイドルが好きですか?」と聞いたところ、1番多くの方が選んだのは「K-POP女性アイドル」で、31.6%の方が選びました。次いで26.4%の「STARTO ENTERTAINMENT」、20.3%の「K-POP男性アイドル」が続く結果になりました。
K-POPにおいては、NiziUや&Teamといった韓国大手事務所から日本人メンバーを中心に構成された「K-POP現地化グループ」についても10.4%の方が選んでおり、
また、男性アイドルの大手であるSTARTO ENTERTAINMENTを退所したメンバーらも所属する「TOBE」も10.8%の方が選んでおり、注目度は上々のようです。
また「上記以外の男性アイドル」「上記以外の女性アイドル」を選んだ方もそれぞれ14.6%、11.8%おり、比較的高い割合を占めています。

アイドルを好きな理由に姿勢や努力といった内面をあげるファンも

「好きなアイドルとそのアイドルを好きな理由はなんですか?」という質問に対し、自由入力で回答いただいた内容をご紹介します。

BTS / 昔から推しているのでみんなが成長していく姿を見るのが楽しい(10代後半・その他)

NewJeans / どことなくK-POPらしくない服装であったり、メイクだったりと、K-POP嫌いしていた私に新しい世界を教えてくれたから(20代前半・大学生)

INI / メンバーの低音でかっこいいラップとビジュアル、努力家なところがすき(20代前半・大学生)

NiziU / ファンへの対応が素敵すぎるから(10代前半・中学生)

Number_i / メンバー全員が素直で気遣いのできる人柄な上に、制作する一つ一つの作品が魅力的だから(10代後半・高校生)

Snow Man / メンバー全員が仲良しだし、歌もダンスもレベル高いから(20代前半・大学生)

FRUITS ZIPPER/ かわいらしい日本のアイドル像を最大限に表現しつつ、曲やパフォーマンスは現代のトレンドに合わせていて、ハマってしまいます(20代後半・社会人)

出典: アンケートアプリcoetto 自由回答より

歌やダンス、ビジュアルといった点の他にも「努力」や「アイドルとしての姿勢」に触れる回答が多かったことも印象的でした。アイドルグループがYouTubeなどの各SNSを使ってアプローチをすることが増え、アイドルになるまでの過程を追うオーディション番組が展開され「成長型アイドル」として人気を集めるなど、ステージの裏側を目にする機会が増えたことも影響しているのかもしれません。
メンバー間の絆や関係性から「特定のメンバーだけでなくグループ全体を推したい」と感じるファンも多いようで、ステージや楽曲以外の面まで注目されていることが感じられる回答が目立ちました。

アイドルを好きになったきっかけは、依然として「テレビ番組」が4割強

「そのアイドルを好きになったきっかけはなんですか?」という質問に対しては、「テレビ番組」が42.0%、「SNS、ネット検索」が22.6%、「友達や家族の影響で」との回答が21.2%という結果になりました。このSNS時代、デジタルネイティブとされる10代・20代ですが、アイドルを知る・好きになるきっかけとして、テレビ番組は依然として大きな影響力を持っていることがわかります。多くのグループが出演する音楽番組への出演や、バラエティ番組への出演など、意図せず目にしたことから好きになるというのは、若年層でも変わらず好きになるきっかけとして大きいようです。

MVは視聴ではなく再生回数を”回す”?若年女性の推し活実態

「好きなアイドルに対して、次のうちしたことがあるものを選んでください」という質問に対して、当てはまるものをすべて選んでもらったところ「曲を聴く」が65.1%、「テレビ番組を見る」が59.0%、「MVを視聴」が56.6%と、特に費用がかかることのない、言わば「ライトな行動」が上位となりました。

そんな中注目したいのは、好きなアイドルの活動を応援する意味で行われる「MVや曲の再生回数を回す」(33.0%)という項目です。
YouTubeの再生回数は主な人気曲の指標となったり、アイドルグループの曲が拡散されるルートとなっているため、好きなアイドルの人気を押し上げたいファンにとって熱が入るのではないでしょうか。

また「複数枚CDを買う」を24.5%の方が選んでいるのも気になるポイントです。
売上枚数からランキングへの反映を意識して複数枚購入するファン層や、イベントや特典のために複数枚購入するなど、推し活ならではの理由があるのではないかと考えられます。

好きなアイドルの情報をキャッチする手段は「公式SNS」

好きなアイドルに対してさまざまな推し活を行う若年層の女性たちは、番組出演やMV公開日、ライブやイベント日程といった、好きなアイドルに関する情報を日常的にキャッチしています。
「普段、好きなアイドルの情報はどこでキャッチしていますか?」という質問をしたところ、上位から「公式Instagram」が54.7%、「公式YouTube」が51.9%、「公式X」が41.0%と続いており、アイドル公式SNSをフォロー・閲覧することで、情報をいち早くキャッチできるようにしているファンが多い様子が見えてきます。
近年のアイドルグループは、公式サイトの他に、YouTube・Instagram・TikTokと主要SNSにそれぞれ公式アカウントを展開していることが多く、それぞれリンクする形で情報発信をしています。YouTubeでは、MVや直近の活動の舞台裏が映し出されるコンテンツなどを楽しみに視聴し、日常的に手軽に情報をキャッチできるInstagramからは、アップロードされた最新の情報へ飛ぶ……そんな使い分けをしている若年女性も多いのかもしれません。

10代・20代女性、好きなアイドルにかける年間金額は?

10代・20代の女性へ「好きなアイドルに対して、年間でどれくらいの金額を使っていますか?」という質問では、「0円」との回答が37.3%と最も多い結果になりました。「MVを見る、曲を聴くといったお金をかけずに楽しんでいる女性も多いようです。
そんな中、「3万円以上5万円未満」は12.3%、「5万円以上10万円未満」は6.6%、さらに「10万円以上」は10.8%と、年間通してアイドルに対してしっかりお金をかける若年女性層の姿も見えてきました。

グッズ集めにライブ遠征、10代・20代女性が好きなアイドルに1番お金をかけること

好きなアイドルへの年間支出額と合わせて気になるのは、どんなことにお金をかけているのか、という点ではないでしょうか。そこで「好きなアイドルに対して1番お金を使っていることを教えてください!」という質問をしたところ、以下のような回答が集まりました。

グッズ!ライブはなかなか当たらないです…!(20代前半・その他職業)

ライブ!やっぱりグッズよりも生で見たい気持ちの方が強いので、グッズ控えめライブ多めで使ってます(10代後半・その他職業)

ライブ。グッズ代や遠征費に新しい参戦服を買ったりすると、お金がかかる(20代前半・大学生)

出典: アンケートアプリcoetto 自由回答より

グッズやライブに使うという回答が多く集まりましたが、ライブは倍率が高くなかなか当たらないため、グッズに還元しているという層も一定数いるようです。
さらにはライブに行くためには遠征費や参戦服(ライブに行くための服)を新調するなど、チケット代以外の面でも費用がかかる様子がうかがえます。

今は嵐が活動休止中のためお金はほとんど使わず貯金してます(20代後半・社会人)

グッズを買うのにお金を貯めています(10代前半・中学生)

出典: アンケートアプリcoetto 自由回答より

また、年間支出が0円と答えた若年女性にも、それぞれパターンがあることが見えてきました。好きなアイドルが活動休止期間中のため、活動再開に向けて貯金をしていたり、年間を通して貯金をすることで、次年度以降に備えている方もいるようです。

CD。 初回限定版A、B、通常盤の3形態を買うので、お金はなくなるし、場所を取るので大変です…(20代前半・社会人)

ライブ。チケットも高くなってきて大変(10代前半・中学生)

出典: アンケートアプリcoetto 自由回答より

さらに回答を見ていくと「大変」というワードがちらほら見受けられます。
全力で好きなアイドルを推している10代・20代女性たちは、充実感の裏で“推し活疲れ”を感じる瞬間もあるのかもしれません。また、チケットやグッズの価格高騰から、出費が大変だと感じる方もいるようです。

「今流行っていると感じるアイドル」への回答は、カワイイを全面に押し出すグループが目立つ結果に

「今あなたの周りで流行っていると感じるアイドルは?」という質問を投げかけてみたところ、10代・20代女性からは以下のような回答が集まりました。

Snow Man / 街中でも、グッズを身に着けている人をよく見かけるから(20代後半・社会人)
Snow Man / ドラマやバラエティなどさまざまな方面で活躍しているので、そこからSnow Man知る人が増えているし、ファンクラブの会員数が150万人を突破している(10代後半・高校生)
Snow Man / YouTubeLIVEでの視聴率高すぎ!(20代後半・社会人)

timelesz/ オーディション番組を見てる人が多い(20代前半・大学生)
timelesz / 菊池風磨(10代後半・高校生)

Travis Japan / 最近バラエティで注目されることが多く、ヲタク以外からの認知や人気が広がっていると思う(20代前半・社会人)
Travis Japan / 松田元太(10代後半・高校生)

ILLIT / ILLITのアイコンにしてる人が多い(10代後半・高校生)
ILLIT / 曲がかわいくユーモラス(10代前半・中学生)

Stray Kids / 友達が大好き(10代前半・中学生)
Treasure / 韓流ブームで聞いてる子が多い(10代後半・高校生)

FRUITS ZIPPER / 流行っているので踊ったりしてるのがよく流れてくる(10代後半・その他職業)
FRUITS ZIPPER / “わたしの一番かわいいところ”が流行っているから!よく耳にするから!(10代後半・その他職業)

超ときめき♡宣伝部 / 音源がSNSで使われていたりVtuber がカバーしていたりと、人気を感じます(20代前半・社会人)
CUTIE STREET / ”かわいいだけじゃだめですか?”が流行っていて、みんな歌ったり踊ったりしている(10代前半・中学生)

出典: アンケートアプリcoetto 自由回答より

バラエティへも活躍の場を広げるSTARTO ENTERTAINMENTのアイドル、さらには世界的にファンダムを広げていたり、楽曲やパフォーマンスがバズるK-POPアイドル、そんな大きなファンダムに加えて目を引いたのが、カワイイを全面的に押し出す日本初の女性アイドルグループの台頭です。
『わたしの一番かわいいところ / FRUITS ZIPPER』『かわいいだけじゃだめですか? / CUTIE STREET』『最上級にかわいいの! / 超ときめき♡宣伝部』と、2023年から2024年にかけてSNS からバズった楽曲はどれも“かわいい”というワードが盛り込まれた楽曲です。K-POPアイドルやVtuberなどがTikTokで踊る姿も話題となりました。

また、STARTO ENTERTAINMENTのアイドルでは、現在オーディションを開催しているtimeleszの菊池風磨さん、バラエティやドラマでの活躍が話題のTravis Japan 松田元太さんらが個人で名前があがっており、STARTO ENTERTAINMENTの幅広い層へのアプローチを感じられる結果となりました。

多様化する、10代・20代女性の好きなアイドルや推し活実態

好きなアイドルがいる10代・20代女性たちの間では、K-POP、STARTO ENTERTAINMENTといった、これまでもトレンドを牽引してきたアイドルの強さは健在です。
しかし、坂道グループ、ハロー!プロジェクト、新設されたTOBEやK-POP現地化グループ、さらには上記以外の女性・男性アイドルグループを選択する層も一定の割合で見られ、「推し活」や「アイドル」がブームとなる中、好みや思考は分散・多様化していることがうかがえます。

さらに、流行っているアイドルとしての回答で「超ときめき♡宣伝部」「FRUITS ZIPPER」「CUTIE STREET」といった選択肢も多くあがるなど、日本ならではのテイストを押し出したアイドルへの注目度も高まっているようです。
こうした多様化の中でも、依然として好きになったきっかけは「テレビ番組」との回答が4割を超えており、SNSを抜いて1位となっている点から、まだまだテレビへの露出からファンを獲得するアイドルが多いのだと感じました。
応援方法やアイドルに対してとる行動、年間支出など、多様化するアイドルへの推し活実態を今後も調査していきたいと思います。

調査概要

「好きなアイドル」に関するアンケート
調査対象者​:10代~20代の女性212名
調査方法​:インターネットリサーチ​
調査時期​:2024年10月30日(水)~11月11日(月)​

執筆:Kai

ティーン向けファッション誌やWebメディアでのライターを経験。現在はコスメ、ファッション、推し活や韓国カルチャーなど、トレンド情報に特化した内容を中心に執筆活動を行っています。