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*2021年夏 自社調べ

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「エコバッグを持参」している10代女性は49.3% レジ袋有料化に対する若年女性の本音

2020年7月にプラスチック製の買い物袋の有料化が全国で開始されてから、既に2年以上の月日が流れました。「SDGsネイティブ」と呼ばれ社会問題に関心が高いとされるZ世代は「環境問題対策としてのレジ袋有料化」という身近な出来事をどのように捉えているのでしょうか。

選挙の投票率の低さなどから政治や社会問題への関心が薄いと思われがちな若い世代ですが、実は社会問題への関心が他の世代と比べて高いことが過去の調査からわかっています。
当研究所が2020年8月に実施した調査によれば、社会貢献活動の実施状況について、社会貢献活動を「よくしている」または「たまにしている」と回答した女性は、10代後半で32.9%でした。この値は全年代の中で最も高いという結果になっています。
文部科学省は2005年より「持続可能な開発のための教育」を推進しており、SDGs(持続可能な開発目標)を学校教育で扱うことが求められるようになりました。現在の10代〜20代は学校の授業などを通して社会問題について考える機会が多くあったことが、この結果につながっていると考えられます。

2020年の調査に関する詳細は、以下のリンクよりご覧いただけます。

「レジ袋有料化」は、容器包装リサイクル法の改正により、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの解決に向けた第一歩として、プラスチック製買物袋の有料化を通じてマイバッグの持参など消費者のライフスタイルの変革を促すことを目的として開始されました。
しかし、開始時期がコロナ禍が始まって間もない2020年だったため、バッグを使い回すことの衛生面が危惧されたり、万引きが増えたり万引き犯と間違えられるのではないかという懸念を抱いた人も多かったように思います。また、家計を預かる層からは「レジ袋はごみ袋として流用していたのに」「プラスチック製以外の袋も有料化されたところが多く、実質値上げではないか」といった声も聞かれました。

ガールズ総合研究所では「SDGsネイティブ」と称されることもある若年女性が、レジ袋有料化をどのように捉えているか、実情に近づきたいと考えました。当社の運営するアンケートアプリ「coetto」の登録モニターを対象に行った調査結果をご紹介いたします。

有料化後に「エコバッグを持参」している10代女性は49.3%

「レジ袋が有料化される以前は、買った物をどのような袋に入れていましたか? 最も比率が高いものを1つ選んでください」という質問に対し「無料の袋をもらう」を選んだ人がすべての年代で最も多く、いずれの年代も50%を超えました。

レジ袋が有料化される以前は、買った物をどのような袋に入れていましたか?

有料化前から「エコバッグを持参」していたのは40歳以上の比率が38.1%と最も高く、エコバッグ派が最も少なかったのは20代前半で21.6%。次に低かったのが10代後半の24.6%でした。
10代女性は「スーパーで食料品をまとめ買いする」といった機会は少なく、コンビニエンスストアなどで数店の商品を購入をする機会が多いためか「袋は使わない」を選んだ人の比率が、全年代中で最も高く10.1%でした。

では、レジ袋有料化後はどうなったかと言うと「現在、買い物をしたときどのような袋に入れていますか? 最も比率が高いものを1つ選んでください」という質問に対する回答は以下のグラフの通りになりました。

現在、買い物をしたときどのような袋に入れていますか?

全年齢で「エコバッグを持参」している人の比率が最も多くなり、25歳以上では全年代で75%以上の方がエコバッグを持参している、という結果になりました。
20代前半、10代後半でもエコバッグを持参している人が最も多いものの、20代前半は57.5%、10代後半は49.3%と25歳以上の年代とはやや開きがあります。
また「有料の袋を購入」している人の比率についても、最も高いのが20代前半で17.2%、2番目が10代後半で13%となり、20代後半以上の年代がいずれも10%以下だったのと比べると高い比率になりました。

10代後半、20代前半の年代は「袋は使わない」「有料の袋を購入する」というライフスタイルの方が他の世代と比べて多めである、と考えられます。

プラスチック製以外の袋を無料配布している企業・店舗に対する印象は?

レジ袋有料化後も店舗・企業によっては、有料化の対象外となるバイオマスレジ袋や紙袋を無料配布している企業もあります。
「紙袋やバイオマス素材のレジ袋を無料で配布している企業や店舗についてどう思いますか?」という質問に対し
「無料でもらえるのはうれしい」「またこの店で買い物したい」「なんとも思わない」「使い捨ての袋の配布はエコじゃない」「企業努力が感じられるので好感度アップ」「その他」の5つから、最も自分の気持ちに近いものを選んでもらったところ、以下のような結果になりました。

紙袋やバイオマス素材のレジ袋を無料で配布している企業や店舗についてどう思いますか?

すべての年代で「無料でもらえるのはうれしい」が最も多く、30代では「企業努力が感じられるので好感度アップ」を選んだ人の比率が2割を超えますが、10代・20代では袋を貰えることと企業努力を結びつけて考える人は2割以下となり、30代以上と比較すると少数のようです。
「またこの店で買い物したい」を選んだ人は10代後半で18.1%、20代前半で13.4%、20代後半で15.8%となりました。無料で袋を配布することが再来店を促すフックになり得る人も、1〜2割程度は存在すると考えられます。

また「使い捨ての袋の配布はエコじゃない」を選んだ人は、10代後半で5.1%、20代前半で6%となったのをはじめ、全年代で「その他」を除いて最も選んだ人が少ないという結果になりました。

紙袋やバイオマス素材のレジ袋の無料配布については、全年代を通して肯定的に捉えている人が多数を占めるようです。

「レジ袋有料化に対する本音」のご紹介

最後に「レジ袋有料化についてあなたの意見や考えを率直にお聞かせください」という質問に対し、自由記述で回答いただいた内容をご紹介いたします。
また、表記についてはお書きいただいた原文のまま掲載させていただいておりますので、ご了承ください。

「意味がないのではないか?」といった疑問や問題意識を持っている

有料にしたところで根本的な部分は解決されないと思う(10代女性)
3円ぐらいならみんな買ってしまうと思うので意味ないと思う。(10代女性)
こんなんで環境が変わるとは思えない(10代女性)
地球に優しいとは思うが少し減ったとはいえ誤差なのではないかと感じる(10代女性)
手段と目的が入れ替わっている感じがする。本当に意味があるのか、数値で示してほしい。(20代女性)
何でも環境のためという理由で廃止するのは、印象が悪い。本当に環境のためになっているのか、効果はどうなのか、検証した上で言っているのかわからないと思う。(20代女性)
家でゴミを捨てる時にポリ袋を使うのであまり意味がないのではないかと思う(20代女性)
コンビニでエコバッグに自分で詰めると時間がかかり次の人に迷惑になるので有料の袋を買って入れてもらっている。詰める場所がないところでエコバッグを使うのは難しい(30代女性)

もっとやるべきという賛成・肯定的な意見を持っている

環境問題への配慮があるのでいいと思う(10代女性)
有料化しても買う人は買うのでもっと価格を上げるかマイバック持参の人への特典をつけたりするといいと思う。(10代女性)
いいと思う。でも、SDGSを問題視する割にプラのことしかやってないイメージ。お店などの節電や廃棄問題についてももっと実施するべきと思う。(10代女性)
有料化になったにもかかわらず、無料でくれる所があるが、有料化の意味があるのかと感じる。有料化になった以上全てを有料化するべきだと私は思う。(10代女性)
レジ袋有料化で明らかにプラスチックの削減になっていると思います(20代女性)
エコでいいと思う(20代女性)
好きな模様のエコバックをファッションの一部として持てるようになったので、環境にいいことを苦なく行えている感覚(20代女性)

無料に戻してほしいという反対・否定的な意見を持っている

エコバッグよりショップバッグの方がかわいいからレジ袋有料化かなしいです(10代女性)
たくさん買った時に袋を2.3枚買わなきゃいけないのがめんどくさい(10代女性)
無料に戻して欲しい(10代女性)
レジ袋をくださいという手間が増えて嫌だ。(20代女性)
エコバッグは毎回洗うわけではないのでレジ袋の方が衛生的だったと思う。(20代女性)
そもそもレジ袋をゴミ袋にしてるからゴミ袋を買う手間が増えただけでなんの解決にもなってないから早く戻して欲しい(20代女性)
家で出るゴミをレジ袋にいれていたので有料化になるのはつらい。(30代女性)

その他、紙袋の有料化やストローについてのご意見

袋を無くすのはいいけどストローが紙なのはちょっと嫌(10代女性)
プラスチック製のものの有料化は環境にいいと思う。だが、紙袋はなぜ有料なのかよくわからない。(10代女性)
レジ袋有料化は環境を考えていていいと思うが、洋服屋さんや雑貨屋さん、化粧品売り場の紙袋は無料にするべき(20代女性)

法改正により全世代でエコバッグの持参率は増加した一方、企業側の袋の無料配布施策に対して共感が得られるシーンは限定的なようです。本調査結果からは、法改正によって確かにライフスタイルに変化はあったものの、改正後2年半以上経った現在においても、法改正の本来の趣旨である環境問題に対する意識づけとしては道半ばといった状況が窺えます。

ガールズ総合研究所では、今後も若年女性の社会問題や環境問題に対する意識の変遷について、調査を続けていきたいと思います。

調査概要

調査対象者​:coetto登録モニター​
調査方法​:インターネットリサーチ​
調査時期​:2023年1月5日(木)~19日(木)​