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*2021年夏 自社調べ

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カラコン市場拡大のカギは「なんとなく」卒業するユーザーへの、早めのサークルレンズ訴求かもしれない

カラーコンタクト(以下、カラコン)とは、色や模様があるコンタクトレンズのことをいいます。目につけることでレンズが黒目に重なり、色や形、模様を変えることができます。
またカラコンは「度なし」、「度付き」に関わらず、薬機法上の「高度管理医療機器」にあたります。

カラコンはオシャレ目的に限らず、視力補正機器としての役割もある

カラコンの購入経験は2024年の調査上、10代後半・20代では3割を超えます。
若年層にインタビューしたところ、カラコンはリップやファンデーションといったメイクアイテムと同等に大事なもので、容姿を整えるのに欠かせないものという意見を聞くほどです。
とくに10代後半については2022年に比べて経験割合が多く、カラコンの必需性が高まっているのかもしれません。

現在使用するカラコンについて度の有無を聞いたところ、世代を問わず7割前後が「度あり」を使用しており、単なるオシャレ目的だけでなく視力補正器具としても用いられることが多いです。

さらに視力矯正者に絞ってクリアコンタクトの過去使用、もしくは併用状況を確認すると、
約1割は過去に一度もクリアコンタクトを使ったことがないことがわかりました。
つまり、メガネからカラコンへ、もしくは裸眼からカラコンと、クリアコンタクトを経由しないカラコンデビューが行われているようです。
今回調査ではそこまでわかりませんが、カラコンを視力矯正デビュー機器として用いている方も少数ながらいらっしゃるのかもしれません。

デザイン重視時期、着け心地重視時期がある

カラコンを購入する際の重視する点のうち、10代後半の結果をもとに上位10種までを抽出した結果が以下です。
カラコンに色がついている部分のサイズを示す「着色直径」は10代が突出して高い一方、「着け心地・着け外しのしやすさ」は30代・40代は10代・20代に比べて高い傾向であることがわかります。

※10代後半の割合の降順

またカラコンを選ぶ際のスタンスについて、デザインを重視するか、着け心地を重視するかを示したものが以下です。
どの世代もデザイン重視傾向にはあるものの、30代・40代ではその割合が約10~20pt低く、着け心地も気にする様子がうかがえます。

1カ月当たりの購入金額が以下です。
それぞれの中央値は、10代後半が1501円~2000円、20代が1501円~2000円、30代が2001円~2500円、40代が2501円~3000円と、年代があがるほど1か月あたりの投資金額が高くなります。

これらのことから浮かぶひとつの仮説が、30代以降は月当たりの着用日数が多いのではないかということです。
ブランドごとの1箱あたりの値段や枚数の違いはありますが、仮に1箱1800円で10枚が入っているとして、“ワンデータイプ”を両目に着用すれば実質5日分です。
上記をもとにすると、例えば10代の高校生であれば、週に1回、学校のない休日に友人と遊ぶ際に使うというイメージでしょうか。
そして、仮に40代が2700円を使っているとすると、前出と商品価格が同じなら1.5箱分、つまり7.5日分に相当します。休日もそうですが、働いている方であればここぞという大事なプレゼンがある日にもカラコンを使うといったこともあるかもしれません。
過去にインタビューをした際にそうした使われ方を聞いたことがあり、着用日数の違いは仮説であるものの当たらずとも遠からずと考えます。

市場拡大のチャンスはサークルレンズにあるかもしれない

年代ごとに購入しているレンズデザイン種は以下です。
フチの有無を別にして、「ナチュラルレンズ」(カラコンのなかでも裸眼の瞳に近いシンプルな色味のもの。ブラック系やブラウン系などがある)が世代を超えて用いられています。
「サークルレンズ(黒・茶系)」(黒目を大きく見せるコンタクトレンズ。ブラックやブラウンなど自然なカラーが環状に着色されたデザイン)は、10代・20代に比べて、30代・40代の使用率が高いです。

※10代後半の割合の降順

すでにカラコンの使用をやめた方に聴くと、全世代で最多の理由は「なんとなく」でした。
ファッションの好みの変化や、目の健康状態への配慮など年代が上がるほど高い傾向にあるものの、それらを上回る形です。

例えば、10代・20代では瞳の“色”を変えるナチュラルレンズを使用するユーザーが、30代以降も使い続けるにあたって瞳の印象を自然に変えたい・良くしたい場合、瞳の“大きく”見せることに重きを置いたサークルレンズに移行するという構図を推測します。
一方で特段理由がないまま卒業するという方について、もしかしたらサークルレンズの存在を知らない、もしくは何かしらの誤認していることがあるといったことがあるかもしれず、今後の調査課題としたいです。


参考:サークルレンズイメージ図
▼弊社商品『LuMia comfort 1day CIRCLE』パフブラウン レンズ画像

▼弊社商品『LuMia comfort 1day CIRCLE』パフブラウン装着図(左)と裸眼図(右)

若年層へのプロモーションは欠かせない

各年代のカラコンデビュー時期を示したものが以下です。
10代後半と20代は15~19歳、30代と40代は20~24歳に過半数がデビューをしております。

またカラコンを過去に使ったことがない方のうち、世代が若いほど高い関心を示しました。

これらのことから、やはりまずデビューの訴求をすべきは若年層なのでしょう。興味が高まるタイミングにおいて安全な使用を含めてカラコンに関する情報を伝えることで、使用開始を促すことができるものと思います。
そして、「なんとなく」という消極的な卒業タイミングを迎える前に、例えばサークルレンズのような新たな選択肢の提案を受けることで、カラコンを愛用し続けられるかもしれません。
冒頭でお伝えした通り、10代後半の使用経験率が2年前より高くなっておりカラコン市場にとって追い風が吹いているなか、いわばカラコンリテラシーの向上はすそ野を広げ、ひいてはさらなる市場拡大のチャンスをもたらすものと考えます。

調査概要

調査案件 :カラコン市場把握調査
調査対象者:社外モニター(10~40代女性)
調査方法 :インターネットリサーチ
調査時期 :2024年3月

執筆者

林 佑樹