2025年春ドラマ、10代・20代女性が最も視聴しているのは「対岸の家事〜これが。私の生きる道！〜」
2025年4〜6月に放送されているドラマ（春ドラマ）について、「今期見ているドラマをすべて選んでください」と10代・20代の女性180名に聞いたところ、半数を超える102名（56.7％）が「何も見ていない」と回答しました。
2025年1～3月に放送されていたドラマ（冬ドラマ）の視聴状況について同様の質問を行った際には、48.1％が「何も見ていない」と答えており、冬ドラマに比べて春ドラマを見ている人が少ないことが読み取れます。
また、春ドラマを何かしら視聴している78名が「視聴している番組」を、上位10番組までまとめると以下のようになりました。
2025年4～6月に放送中のドラマで最も多くの方が視聴していたのは、多部未華子さん主演の「対岸の家事～これが、私の生きる道！～」（24.4％）でした。多部未華子さん演じる専業主婦の主人公が、働くママや育休中のエリート官僚パパなど、価値観がまるで違う「対岸にいる人たち」と家事を通じて繋がっていく様を描くストーリーが人気を集めています。
次いでランクインしたのが、北川景子さん主演の「あなたを奪ったその日から」（16.7％）。食品事故で子供を失った主人公が、大森南朋さん演じる事故を起こした会社社長に復讐を企てるサスペンス作品です。
3位には同率で「天久鷹央の推理カルテ」「波うららかに、めおと日和」「なんで私が神説教」（15.4％）が並びました。
「天久鷹央の推理カルテ」は橋本環奈さん演じる天才医師・天久鷹央が、医師としての知識と鋭い推理力を武器に、難事件や超常現象に立ち向かう医療ミステリーで、原作は知念実希人さんによる同名小説です。アニメ化もされており、注目度の高い作品です。
春ドラマでは、現代の家庭が直面する課題を描く作品がトップに立ち、2位、3位にもサスペンス要素を含む番組が目立ちました。
若年女性に人気のドラマと言えば「恋愛ドラマ」が思いうかびますが、2025年冬の調査でも「家政婦のミタゾノ」や「ホットスポット」などのヒューマン・コメディ色の強い作品が人気を集めており、近年は必ずしも恋愛ドラマが人気というわけでもないようです。
最も面白いと思うドラマも「対岸の家事」がトップ。「波うららかに、めおと日和」「あんぱん」にハマる声も！
続いて、「今期見ているドラマで1番おもしろいと思うドラマ」を聞いたところ、視聴者数でもトップとなった「対岸の家事～これが、私の生きる道！～」（14.1％）が最も多くの票を集めました。視聴者数と満足度の両方でトップとなったことから、本作は注目度・満足度ともに高い作品であることがうかがえます。
2位にランクインしたのは「波うららかに、めおと日和」（10.3％）です。こちらは西香はちさんの漫画を原作に、昭和初期を舞台として帝国海軍中尉の瀧昌となつ美の新婚生活を描くラブコメディ。視聴者数では3位でしたが、「おもしろいドラマ」では2位に順位を上げており、視聴している女性の間で満足度の高い作品となっているようです。
さらに同率2位には2025年度前期の連続テレビ小説「あんぱん」（10.3％）がランクイン。アンパンマンの作者・やなせたかし夫妻をモデルとした物語で、視聴者数のトップ10圏外（13位）から大きくランクアップしています。前回の「冬ドラマ視聴状況」調査では、連続テレビ小説はトップ10圏外だったこともあり、「あんぱん」は連続テレビ小説のなかでも、10代・20代女性から満足度の高い作品として選ばれている点が印象的です。
【現代のリアル・昭和のピュアな恋愛】10代・20代が「おもしろい」と感じるポイントとは？
「1番おもしろいと思うドラマを選んだ理由を教えてください！」と質問したところ、10代・20代女性から次のような回答が集まりました。
「対岸の家事〜これが。私の生きる道！〜」
専業主婦についてのドラマでおもしろい！（20代後半・社会人）
様々な家庭の葛藤や大変さをリアルに感じられる（20代後半・社会人）
現代の悩みをそのまま活かしてるドラマだから（10代後半・大学生）
専業主婦を中心に、働くママや官僚パパなど、それぞれの家庭を取り巻く問題に共感の声が多く寄せられました。10代・20代の女性たちも、家事・育児・仕事のバランスや価値観の違いなど、現代の悩みをリアルに描いた本作に引き込まれている様子がうかがえます。身近なテーマを丁寧に描いている点が、支持を集めた理由のひとつのようです。
「波うららかに、めおと日和」
大好きな俳優（本田響矢）がでてるから（10代後半・短大生）
他のドラマと違って、ピュアさを感じられるから。（20代後半・社会人）
波うららかに、めおと日和。とにかくかわいい（20代前半・社会人）
ほんとにうぶな2人がかわいい！！ 本田響也ほんとにいけめん（10代後半・高校生）
幸せ空間（10代前半・中学生）
「波うららかに、めおと日和」については、昭和初期という時代設定で描かれる純粋な恋愛模様に、「ピュアでかわいい」「ときめく」といった感想が多く寄せられました。とくに、生真面目で不器用な夫・瀧昌を演じる本田響矢さんへの支持が目立ち、10代・20代の女性たちの心をつかんでいることがうかがえます。
「あんぱん」
やなせたかしと妻との馴れ初めや周りとの掛け合いが面白い（10代後半・大学生）
親が見てて自分もつられてみたら面白かった（20代後半・無職）
1話が短いので、飽きない（10代後半・大学生）
今田美桜さんが演じられるキャラクターがおもしろいから（10代後半・大学生）
それぞれの登場人物にそれぞれのドラマがある。（10代後半・高校生）
アンパンマンの話で面白い（10代後半・高校生）
視聴者満足度の高い「あんぱん」については、アンパンマンの作者・やなせたかし夫妻の人生を描いた内容に惹かれているという声も見られました。今田美桜さん演じる朝田のぶを筆頭に、登場人物ひとりひとりの魅力を楽しんでいる人も多いようです。
また、1話15分という短さや、家族が見ていたことをきっかけに視聴したというコメントもあり、手軽に楽しめる点も評価されているようです。
「あなたを奪ったその日から」
復讐系のドラマが好きだから（10代後半・高校生）
ミステリーにハマるから（10代後半・高校生）
これからどうなるか先を読めないのがおもしろいから。（10代後半・高校生）
「あなたを奪ったその日から」では、復讐やミステリーといったジャンル性そのものに魅力を感じている女性も多く、先の読めない展開に引き込まれている様子がうかがえます。10代後半の視聴者を中心に、“今後どうなるのか気になる”という声が集まりました。
「恋は闇」
ミステリー要素が強く、犯人が気になる展開だから。（20代後半・社会人）
志尊淳がかっこいい（20代後半・社会人）
志尊淳かっこよすぎるむり！！！（10代後半・高校生）
志尊淳が好きだから。（10代後半・高校生）
恋は闇。志尊淳が大好きでハマったドラマ毎週水曜日が生き甲斐です（10代後半・高校生）
同じくミステリー要素が強い「恋は闇」については、犯人が誰なのか分からない展開に加えて、W主演の志尊淳さんに対する熱烈な支持も印象的でした。「かっこいい」「生き甲斐」といったコメントも寄せられており、ストーリーと出演者の両軸で視聴者を惹きつけていることがうかがえます。
「人事の人見」
人事の人見。アドリブなのか役柄なのかわからず見てて面白い（20代後半・社会人）
人見くんが可愛い（10代後半・高校生）
前田敦子さんのキレ芸が大好きなので、見ていて清々しいです（20代前半・大学生）
松田元太さん演じる人見廉や、前田敦子さん演じる真野直己など、出演者のコミカルな演技に注目する声が集まったのが「人事の人見」です。俳優陣によるテンポの良い掛け合いやアドリブのようにも見える自然な演技、そしてキャラクターのユニークさが、視聴者を惹きつけているようです。
「なんで私が神説教」
毎回説教用のカンペ作るところが面白くていい（10代後半・高校生）
見ていたら面白さもあるし心にも響くから（20代前半・社会人）
広瀬アリスさんが主演を務め、学園ドラマとして注目を集める「なんで私が神説教」に寄せられた回答では、学園ドラマとしてのおもしろさや、心に響く内容で女性たちの心を掴んでいる様子がうかがえます。
「続・続・最後から二番目の恋」
前作にハマっていたので、1話からワクワクしながらみています！（20代前半・社会人）
「天久鷹央の推理カルテ」
ワクワクするから（20代後半・無職）
シリーズ3作目となる「続・続・最後から二番目の恋」には、前作・前々作を見ていた視聴者からの根強い支持があり、続編を待ち望んでいた女性が早くから視聴を開始している様子がうかがえます。
さらに「天久鷹央の推理カルテ」については、毎話の事件展開や医療×ミステリーという独自の世界観が“ワクワクする”という声につながっており、推理を楽しみにしている視聴者から支持を集めているようです。
10代・20代女性が選ぶ、春ドラマで1番好きな出演俳優は？
10代・20代の女性たちに「今期のドラマで1番好きな俳優さんとその理由を教えてください！」という質問をしたところ、以下のような回答が集まりました。
「対岸の家事〜これが。私の生きる道！〜」多部未華子さん。演技が自然でいい（20代後半・社会人）
「対岸の家事〜これが。私の生きる道！〜」多部未華子さん。可愛い（10代後半・大学生）
視聴者数・満足度ともにトップとなった「対岸の家事〜これが。私の生きる道！〜」では、多部未華子さんの演技に注目が集まっているようです。専業主婦という役柄の自然体な演技が、よりドラマにリアリティをもたらしているのかもしれません。
「Dr.アシュラ」松本若菜さん。いつもの明るいイメージとギャップのある役がかっこよくて、見入ってしまいます。（20代前半・社会人）
「Dr.アシュラ」松本若菜さん。綺麗だから（10代後半・高校生）
Dr.アシュラの松本若菜さん。 元々好きな方だったから（10代後半・高校生）
「Dr.アシュラ」でスーパー救命医・杏野朱羅を演じる松本若菜さんを挙げる女性から寄せられた回答です。普段の明るいイメージと打って変わった、杏野朱羅の寡黙でクールな姿に惹きつけられているという女性の声も印象的です。
「あなたを奪ったその日から 」北川景子。復讐する演技がうますぎるから（10代後半・高校生）
「あなたを奪ったその日から」の北川景子さん。 昔のドラマを見た時から綺麗で、でもかっこいいところが好きだから。（10代後半・高校生）
「あなたを奪ったその日から」で、娘を失い復讐を企てる中越紘海を演じた北川景子さんは、変わらぬ凛としたかっこよさや、母親としての愛情や葛藤を切迫感ある演技で見せており、視聴者からも支持されていました。
「恋は闇」の志尊淳さん。かっこいい（10代後半・高校生）
志尊淳 かっこよすぎる（10代後半・高校生）
ドラマを「おもしろい」と評価する理由にも挙がった「恋は闇」の志尊淳さんには、演技やビジュアルに対する賞賛の声が集まりました。サスペンスと恋愛が交差するストーリーの中で、その“かっこよさ”が一層引き立つシーンを楽しんでいる女性が多いのかもしれません。
「波うららかに、めおと日和」の本田響矢。健気で笑顔が可愛い（10代後半・短大生）
「波うららかに、めおと日和」本田響也いけめん！！（10代後半・高校生）
「波うららかに、めおと日和」の本田響矢さん！イケメン！！（10代前半・中学生）
「波うららかに、めおと日和」に出演する本田響矢さんに対しては、健気な役柄や笑顔に癒されているという声のほか、「イケメン！」というストレートな賞賛も目立ちました。役柄である帝国海軍中尉・江端瀧昌としての姿に心を奪われている視聴者も多いようです。
「あんぱん」の今田美桜。明るくて元気になる（10代後半・大学生）
「あんぱん」今田美桜さん。笑顔がよく似合う人で、見惚れてしまうような演技をしていてかっこいいから（10代後半・大学生）
「あんぱん」高橋文哉、かっこいい。けんちゃん。（20代前半・大学生）
魅力的な登場人物にも支持が集まった「あんぱん」では、主演の今田美桜さんや、嵩の同級生・けんちゃんを演じる高橋文哉さんに心を掴まれる女性たちの声が寄せられています。やなせたかし夫妻を取り巻く登場人物を、個性豊かな俳優陣が演じている点も、視聴者の関心を集める理由となっているようです。
10代・20代女性の最も機会が多い視聴方法は「テレビで録画視聴」
10代・20代の女性に「普段ドラマはどうやって見ていますか？」と質問したところ、最も多かったのは「TVerの配信視聴」（31.1％）でした。次いで「テレビでの録画視聴」（26.1％）、「Netflix」（22.2％）が続きます。「テレビでリアルタイム視聴」（19.4％）を上回って「Netflix」が3位に入っており、配信サービスを利用してドラマを見ることが、10代・20代の女性にとって日常的になっていることがうかがえる結果となりました。
配信サービスでの視聴が一般的になっている一方で、「普段ドラマはどうやって見ていますか？最も視聴機会の多いものを1つ選んでください。」と10代・20代の女性に尋ねたところ、「テレビで録画視聴」が21.6％で最も多く選ばれました。次いで「TVerの配信視聴」（20.6％）、「Netflix」（16.2％）と続き、上位3位の視聴方法自体は変わらないものの、「最も多く視聴する方法」では「TVer」よりも「テレビでの録画視聴」がわずかに上回る結果となりました。
TVerを利用する女性が広く存在する一方で、「最もよく使う視聴方法」としては、テレビでの録画も引き続き根強い支持を集めていることがうかがえます。
調査概要
「2025年春のドラマ」に関するアンケート
調査対象者：10代～20代の女性180名
調査方法：インターネットリサーチ
調査時期：2025年5月4日（日）～5月18日（日）
執筆：Kai
ティーン向けファッション誌やWebメディアでのライターを経験。現在はコスメ、ファッション、推し活や韓国カルチャーなど、トレンド情報に特化した内容を中心に執筆活動を行っています。
