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*2021年夏 自社調べ

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歩く・歩かないを決める“生活スタイル”——女子大生のリアルな移動行動を分析

できれば歩きたくない—。これは、多くの若年女性に共通している本音かもしれません。
ただ、本当に歩きたくないのか、それとも歩く気になれない理由が潜んでいるのか。その背景を探るには、日常の行動そのものを丁寧に見ていく必要があります。

厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査報告」では、“運動習慣のある者”(1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者)の割合は、20〜29歳女性で14.5%。全世代の中で最も低い数字であり、若年女性の運動習慣の定着は健康面でも見過ごせない課題となっています。

こうした背景を受けて、歩行分析や人間工学の研究を進める 産業技術総合研究所の小林吉之氏が所属する人間社会拡張研究部門は、若年女性領域に知見を持つ弊社に調査を依頼いただき、女子大学生の休日におけるリアルな行動実態を把握するため、エスノグラフィー調査(フリュー名称:ツアーグルイン)について弊社が調査業務の一部を担いました。
本調査では、実際の移動ルートやカフェ選び、写真撮影の行動、さらには靴の選び方に至るまで、彼女たちが歩行行動をどう捉えているのかを明らかにしました。本稿では、その調査内容の一部をご紹介します。

歩くことへの“心のハードル”はどこで生まれる?

1組目のペアは、新宿東口交番で待ち合わせをしたあと、まずゲームセンターに立ち寄り、そのまま徒歩で新大久保のカフェへ向かいました(徒歩移動は合計約20分)。ゲームセンターではコスプレをしてプリ撮影を楽しみ、新大久保では“映えるパン”で人気のカフェを訪れています。
お二人とも日頃から運動習慣はなく、「運動がしんどい」「運動神経に自信がない」といった理由で運動が苦手だったり、あるいは「嫌いではないけれど、正直めんどくさい」と感じていたりと、いずれにしても自発的に体を動かすタイプではないようです。

2組目のペアは飯田橋駅で集合し、近くの飲食店でランチを楽しんだのち、徒歩30分ほどかけて神田のカフェまで移動しました(徒歩移動は計34分)。徒歩を選んだ理由は、電車を使っても所要時間がほとんど変わらなかったためとのことです。
こちらのペアは事前に“歩くこと”を想定しており、歩きやすい靴をしっかり選んでいました。また、1名はダンスサークルに所属しており運動が好きになったタイプ、もう1名はアメフト部のマネージャーとして日常的に動き回っていることから、比較的アクティブな生活スタイルが見られました。

生活者理解を深めるためのエスノグラフィーアプローチ

以上の通り、生活者の行動や価値観を深く理解するため、日常場面での会話収集、行動動線の観察、写真記録を組み合わせたエスノグラフィー調査を実施しました。実際の行動・発話・空間利用を総合的に捉えることで、表面的なニーズだけでなく、本人も気づきにくい潜在的な動機や負荷点を抽出しています。特に、動線と行動の流れを丁寧に可視化することで、行動の背後にある判断基準や習慣性を明らかにし、生活者のリアルな文脈に根差したインサイトを導出しました。こうした多角的な理解をもとに、より具体的で実行可能性の高い提案につなげています。

※本記事は、産業技術総合研究所の研究成果や見解を紹介・保証するものではありません。
※当社は研究プロジェクトの一部業務を委託により担当しました。

当調査記事に関するお問い合わせは以下よりお待ちしております。

調査概要

調査案件 :歩行と姿勢に関する調査
調査対象者:フリューモニター(4名)
調査方法 :エスノグラフィー
調査時期 :2025年12月、2026年1月
執筆   :林 佑樹(フリュー株式会社)