プリントシール機シェアNo.1*のフリュー株式会社の調査機関「ガールズ総合研究所」によるガールズ実態調査メディア

*2021年夏 自社調べ

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服でも、顔でも、髪でもない。バッグを起点に広がる“今の楽しみ方”

 

当社では、ガールズの日常におけるリアルな行動や感性、その変化について調査・研究しております。今回は、『ガールズ総合研究所』で調査した「バッグへのじゃら付け」にみられる、バッグを起点に広がる現象が何なのかを探究してみました。

フリュー調査レポート:「バッグへのじゃら付け」調査
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/portal/system.html

“ぬいぐるみキーホルダー”20代女性の8割以上がバッグに身につけている

バッグは、街中の女性たちが高い関心を持っているもののひとつに挙げられますが、ファッションアイテムの一つとして持つほかにも、嗜好を表現する手段としても活用されてきているようです。それが、バッグに+1 として「ぬいぐるみキーホルダー」をつけるという点です。上記グラフの通り、前述したリリースとは別のアンケートでも、20代女性200名のうち8割以上の方がバッグにぬいぐるみキーホルダーをつけていることがわかりました。

以下では、ガールズたちがなぜバッグにぬいぐるみキーホルダーを付けるのか、そこではどんなことが行なわれているのかを詳しく見ていきます。

バッグにぬいぐるみキーホルダーをつける理由

なぜバッグにぬいぐるみキーホルダーを付けるのか。特筆すべきは、その理由が「可愛いから」という感覚的な一言では片付かない点です。実用性や合理性を理解した上で、あえて付け足す理由は一体何なのでしょうか。その行為自体が、今消費者がモノに求めている役割の変化を端的に表しているのかもしれません。

高校生・大学生向けのインタビューでは、以下のような声を頂きました。

ヒアリングを通じて明らかになったのは、バッグにぬいぐるみキーホルダーを付け始める動機の多くが、まず「周囲の影響」から始まるという点です。最初から個人的な嗜好の体現をするというよりも、まずは「同じようにやってみよう」という気持ちから取り入れられる傾向が強いように伺えます。

一方で、継続的に使用される中で、キャラクターや色、テイストといった選択においては明確な個人差が現れてきてもいそうです。これは、共通の行動を入口としながら、ぬいぐるみキーホルダーを通じて自分の世界観を可視化していくプロセスと捉えられます。バッグにぬいぐるみキーホルダーをつける行為は、現代のガールズにおける「軽やかな自己表現」の典型例と言えるのかもしれません。

特徴的なのは、「集まる」ことを目的としない点にあり、このコミュニティは固定化されにくいと捉えられます。気分や好みの変化に応じて、所属感覚は流動的に移り変わるのです。それでも一時的に共有された感覚やスタイルは、個人の選択を後押しし、次の消費行動へと影響を与えていきます。あるいは言い方を変えれば「界隈消費」に近い行動とも言えるかもしれません。バッグを媒介にしたこうしたコミュニティは、「参加するか否か」ではなく、「気配を感じるかどうか」で成立しているのではないでしょうか。この曖昧さこそが、いまの消費者にとって心地よい距離感を生んでいると言えそうです。

ぬいぐるみキーホルダーは、「好き」や「気分」的な存在

ぬいぐるみキーホルダーは、装飾性や話題性を目的とした付属品というよりも、消費者の「嗜好」や「その時点の気分」を一時的に反映させるための媒介として機能しています。恒常的な意味づけや一貫したメッセージ性を求められない点が、現在の消費者にとって取り入れやすい要因になっているのではないかと考えられます。バッグ本体とは異なり、気分で変えることが前提となるぬいぐるみキーホルダーは、気分の変化に応じて選択を更新できる柔軟性を持っており、この「仮置きできる嗜好」の存在が、消費行動における心理的ハードルを下げ、軽量かつ継続的な購買や関与を促している側面は見逃せません。

まとめ

ぬいぐるみキーホルダーをめぐる一連の動きは、偶発的な一過性の装飾ブームというよりも、消費者とモノとの関係性が変化していることを示す象徴的な事例と言えるでしょう。

消費者は、その時々の気分や関心を軽やかに反映させ、必要に応じて更新できる余白を求めています。バッグという実用性の高いプロダクトを基盤としながら、そこに「+1」としてぬいぐるみキーホルダーを組み合わせることで、所有や自己主張に過度な重さを伴わない、新しい消費のかたちが成立しています。この構造は、商品単体の価値訴求だけでなく、周辺アイテムや関与の設計によって、消費者との接点を継続的に築いていく可能性を示唆しているでしょう。

今消費者が求めているのは、完成された世界観を一方的に提示することではなく、消費者が自らの「好き」や「気分」を置き、入れ替え、共有できる余地をどのように用意できるかなのではないでしょうか。

バッグの片隅に揺れるその存在は、単なる装飾以上に、今の消費行動を読み解くヒントを静かに提示しています。その小さな揺らぎは、消費者がモノとちょうどよく付き合うために選んだ、いちばん無理のないかたちなのかもしれませんね。

調査概要

調査対象 :20代女性200名、10代~20代女性3名(インタビュー)
調査方法 :インターネット調査、対面インタビュー
調査期間 :2026年2月
※本文中の数値はすべて少数点第2位で四捨五入しています。

執筆:mimi
フリュー株式会社 ガールズ総合研究所所属
ティーン向けWebメディアでのライターを経験。 現在SNSマーケターとして活動しながら、ガールズのリアルを「大人」にも分かりやすく発信するため執筆活動も行なっています。