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*2021年夏 自社調べ

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「やりたい」と「やらねば」に揺れる若者たちのリアルを読み解く

総務省統計局の社会生活基本調査では、1日の生活時間を以下の3区分に分けています。

1次活動:睡眠・食事など、生理的に必要な活動
2次活動:仕事・家事など、社会生活上の義務的活動
3次活動:上記以外で、各人が自由に使える活動(=自由時間)

出典: 総務省統計局ホームページ「平成13年社会生活基本調査 用語の解説

このうち、余暇時間は「3次活動」にあたる“自由に使える時間の中で行われる活動”を指す概念として扱われます。
当社事業においては、この余暇時間の中で当社の商品・サービスをいかに楽しんでいただくかが重要です。一方で、現代のマーケティングの視点では、可処分時間の奪い合いと表現されるほど、この領域の時間は多くの事業者が共通して重視しているものでもあります。

こうした背景のなか、当社事業を利用していただく当事者であるZ世代にとって、余暇とはどのような時間なのか、またどのようにデザインしたいと考えているのか――。この点を深く理解することが、今後の事業価値向上において重要な視点だと考えます。
そのような関心・問題意識を背景に、株式会社インテージが立ち上げた「産学連携生活者研究プロジェクト」に、フリュー株式会社も一員として参画しております。

協力大学である関西学院大学 人間福祉学部 社会起業学科 森藤ちひろゼミの学生を対象に、2日間の集中ワークショップを実施し、「余暇」をテーマに、若年層である彼ら・彼女ら自身の“余暇のリアル”を深掘りしました。
インテージ社とともに実施した定量調査とあわせてZ世代の“余暇”に潜む価値観とインサイトを照らし出すセッションの記録をお届けします。

Z世代の行動選択は「楽しめるか」がカギ

29歳以下のZ世代を対象にした定量調査から、日常行動における“モチベーションの差”が見えてきました。
まず、「飲食店・カフェに行く」や「飲み会に行く」などの外出系アクティビティは、総じて“やりたいもの”として選ばれ、Z世代が自発的に楽しみを求めて行動していることが明らかに。一方で、「写真館で撮影する」や「料理をする」といった行動は、“やらねばならないもの”に分類され、義務感を伴いやすい傾向があるようです。

さらに、この行動を取った目的について聞いたところ、“やりたいもの”は「その体験を楽しむために行った」が35%超え。一方、“やらねばならないもの”では「写真館で撮影する」が30.7%、「料理をする」が34.4%と数値が伸びず、楽しさより必要性が動機になっていることが伺えます。

Z世代にとって“楽しめる見込みがあるかどうか”が、“やりたい”気持ちに直結しているという構図が浮かび上がってきます。

※「やりたいものである寄り」の降順で記載

自由時間なのに疲れる?大学生が求める“本当のオフ”

関西学院大学で行った学生向けワークショップでは、今どきの大学生が余暇をどう捉えているのか、リアルなキーワードが続出しました。

出てきた言葉は「チル」「ながら」「最終手段」など。
一見バラバラに見えますが、共通しているのは“余暇に対する負荷の少なさ・効率化”を求める姿勢です。
「チル」はゆっくりとくつろぐ・まったり過ごす・落ち着くという意味のスラングで、とにかく負荷を下げたい気持ちの表れ。

さらに「ながら視聴」「ながらSNS」は、情報が多すぎる現代で“効率よく処理したい”という行動の典型。一方で「最終手段」は、ちょっとしたスキマ時間を潰すために選ばれる妥協的な余暇の意味で用いており、リフレッシュではなく“義務の消化”に近い感覚が漂っています。

実際に、あるグループでは今の自由時間を「やらなきゃいけないことの合間に偏在している時間」と定義。そのうえで理想の自由時間を「週1日は予定を入れない日をつくり、やりたいことだけをして心を浄化したい」と語りました。
“やるべきこと”に追われる日常の中で、意識的に“やりたいこと”へリセットする時間を求めているわけです。

この“やるべきこと”には、学業やアルバイトだけでなく、一見「好き」でやっているはずの推し活のような趣味も含まれており、「更新し続けなきゃ」「話題に遅れられない」という半ば義務感も発生している様子でした。また友人との外出やエンタメ視聴も、「流行を押さえる」「人間関係を保つ」といった社会的・関係的な理由が混ざり、純粋なレジャーとは言い切れなくなっている実態が見えてきました。学生たちのあいだでは「意図的に予定を空けてリセットしたい」という声も聞かれ、現代の若者は限られた自由時間の中で“本当の自由”をどう確保するかを模索している状況が浮かび上がりました。

若者の「余暇」は“空き時間”ではない

若年層が余暇に対して “自由でありたい気持ち” と “義務を感じてしまう現実”を抱いていることがわかりました。

余暇ですら“タスク化”してしまう現象が起きた結果、彼らの自由時間は「やるべきことの合間に存在する」断片的な時間となり、本来のリフレッシュが十分に機能しなくなりつつあります。若年層に向き合うサービスは、この“負荷の少ない自由”という新しい価値観を理解し、心理的負担を生まない設計や、楽しさにつながる体験の提供がますます求められているのかもしれません。

そして、まさにこうした心が緩む瞬間こそが、私たちが目指すPrecious Timeなのかもしれません。一見すると大げさな物語のようですが、全社を挙げてその価値の創造に真剣に取り組んでおります。

調査概要

調査案件 :余暇に関する調査
調査対象者:定量調査…インテージモニター
定性調査…関西学院大学 人間福祉学部 社会起業学科 森藤ちひろゼミ
調査方法 :ウェブアンケート・ワークショップ
調査時期 :2025年12月
調査企画者:林 佑樹