一大イベント「文化祭」のリアルとは
学校の一大イベントでもある文化祭。文化祭の実行委員を決めるところから、クラスごとの企画立案から文化祭当日に至るまでの準備と、大人から見れば、学生たちは日々を楽しく過ごしているように見えるかもしれません。
けれど、実際のところはどうでしょうか。準備の忙しさや人間関係のすれ違いなど、理想と現実の間で揺れる学生も少なくありません。今回は、文化祭に関するアンケートやヒアリングを行ない、令和の高校生大学生がどのような心情で文化祭の準備や当日を迎えているのか調査しました。
今年度(2025年)の文化祭開催実態
今回アンケートに回答してくれた高校生40名、大学生34名が通う学校では、今年度、半分以上が文化祭を開催予定とのことです。
令和の文化祭、催し物は一体どんなものが流行してるの?
今年文化祭を行なうと回答した学生たちに、どのような催し物をするのかアンケートを取ったところ、以下の回答が集まりました。(上位5位までを掲載)
高校生も大学生も、圧倒的に飲食店の模擬店を開くところが多く、令和でも主流なようです。
令和の学生に聞きました!文化祭で楽しかったことは?
学校の一大イベントということで、楽しい思い出作りができるのも醍醐味の一つ。
学生たちに楽しかったこと、嬉しかったこと、感動したことを聞いてみました。
Aちゃん「中高一貫校だったのですごい大規模だったんですよ~。屋台や校内バザーがお祭り感があって楽しかったです!」
Bちゃん「クラスで話したことがなかった子と話せるようになって、準備のときも盛り上がったこと。話すきっかけが作れて嬉しかったです。」
Cちゃん「気になってる人と文化祭の買い出しを一緒に行けたこと。」
Dちゃん「今年文化祭があったんですけど、私のクラスがポスター部門、模擬店部門とすべて1位でグランプリを獲ったこと!最高の思い出です!」
令和の学生に聞きました!文化祭で苦労したことは?
楽しい思い出の裏には、かならず苦労話もつきもの。特に、企画から準備まではなかなかうまく事が進まず悩む学生もいるのではないでしょうか。というわけで、ここからは苦労話をご紹介します。
Eちゃん「クラス単位で出し物を決めるんですけど、やっぱり意見がまとまらないし予算オーバーしてやり繰りも大変だった。生徒会にも入ってたので、主催側に回るからクラスの出し物に参加できない年もありましたね~。」
Fちゃん「クラスの出し物で劇をやったんですけど、大道具や小道具で背景とか作るのに苦労しました。ダンボールが足りなくて色んなスーパーに駆け込むこともありました。」
Gちゃん「文化祭実行委員だったんですけど、委員同士で揉めてしまって収集がつかなくなっちゃいました。苦い思い出です。」
Hちゃん「予算とか出品物が決まったら、学校に申請したり色々と確認しなきゃいけないことがたくさんあって大変だったんですよ~。事務作業がかなり面倒でしたね。」
学校で定められた予算に対して、学生たちは予算内に収めながら企画を進行したり、クラスメイトとコミュニケーションをとりながら時間をかけて進行したりと苦労することも多いようです。むしろ、準備期間は苦労話の方が多い印象でした。きっと、そんな苦労や苦い思い出があるからこそ“楽しかった思い出” へ昇華されていくのかもしれませんね。
令和の文化祭、クラスTシャツに力を入れ込んでいるらしい
催し物と同時に進行するのがクラスTシャツ。筆者が学生の頃も学校行事の際にクラスTシャツを作っていました。その時代は無地のカラーTシャツ(1色)に対してデザインは手描きかつ色は2色までという決まりがあり、クラスTシャツを作るにも自力で何とかするような時代でした。
ところが、令和ではクラスTシャツを作るにも映えや特別感をより演出できるようなテンプレとなるデザインが多くあるようです。
半分以上の学生がクラスTシャツを制作
実際に、令和の学生たちがどのようなクラスTシャツを作っているのかヒアリングしてみました。
Iちゃん「バスケのユニフォームっぽいデザインにしました。黒地に青と白のラインを入れてます。」
Jちゃん「アイスホッケーのデザインで、使ってた色は赤と紺と白です!」
Kちゃん「牛丼モチーフのTシャツを作りました。もちろん色もオレンジです(笑)」
Lちゃん「エナジードリンクをモチーフにしたデザインです。」
Mちゃん「担任の先生をアメコミ風にイラスト化したデザインのTシャツを作りました!先生大好きなんで!」
スポーツのユニフォームや販売している飲食物をモチーフにしたクラスTシャツが人気らしい
調査の結果、バスケットボールやアイスホッケー、野球にサッカーといったスポーツのユニフォームを元にデザインしているクラスTシャツや、イメージが湧きやすい飲食店や販売物のデザインを元にクラスTシャツを制作している学生も多数。ユニークなデザインのクラスTシャツを制作しているようでした。スポーツのユニフォームはSNSでも流行しており、クラスTシャツの販売店がテンプレートのデザインとして販売しているところもありました。学生人気を踏まえて、販売店が新しいデザインを打ち出しているところから、需要と供給がマッチしているように伺えます。
文化祭を終えた学生たち、その後の行動を探ってみた
一大イベントを終えた学生たち。その後の行動や背景に繋がるものはあるのでしょうか。文化祭が終わった後、一体何をしているのかを探ってみました。
学生たちの半数、文化祭が終わったらプリを撮りに行きます!
なんと学生の約半数が、文化祭が終わった後にプリを撮りに行くことがわかりました。
プリを撮りに行く理由として以下が挙げられました。
Nちゃん「文化祭当日、ヘアメイクをしていたので可愛い状態で記念に撮りたかったから。」
Oちゃん「盛り髪をしてて、文化祭当日のために友達と作ったメガホンと一緒に撮りたかったから。」
Pちゃん「クラスTシャツ着るのも最初で最後なので、思い出作りとして友達とプリ撮りました。」
文化祭当日の思い出を可愛い状態で記念に残すために、プリを撮りに行くようでした。文化祭が終わっても、プリを撮りに行くまでも、行ってからも、思い出は続いているんですね。青春時代の思い出は永遠です。
学生たちの思い出作りに制限なんてない
一大行事の文化祭には、学生たちの数知れない努力と苦労がありました。ネガティブにも思える準備から一転して、文化祭当日を迎える学生たちは儚い時間を全力で楽しみ、華やかな姿を納めるためにプリを撮って思い出を永遠にしています。これらの思い出を彩っているのは、実は予期せぬ困難やトラブルだったりもします。
その中でも学生たちが前向きに行事に取り組むのは、友人と団結して文化祭を楽しみたいという気持ちがあるからこそなのかもしれません。「楽しむ」という気持ちは学生たちの気持ちをより一層強くする武器となります。
そんな学生たちの思い出の一コマに、クラスTシャツやプリといったアイテムの存在は、これからも隣に居続けるのかもしれませんね。
調査概要
調査対象 :高校生45名 大学生34名
調査方法 :インターネット調査及び対面インタビュー
調査期間 :2025年8月~9月
※可読性を加味して小数点以下を四捨五入する事があります。
執筆者:mimi
ティーン向けWebメディアでのライターを経験。
現在SNSマーケターとして活動しながら、ガールズのリアルを「大人」にも分かりやすく発信するため執筆活動も行なっています。



