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*2021年夏 自社調べ

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位置情報共有がもたらす若年女性の遊びにおける行動変容促進と友人間交流の活性化への期待

先日、保護者視点でのGPS活用状況に関する記事をお届けいたしました。
今回は女子高校生を対象に、子ども視点でのGPS活用状況について紹介いたします。

位置情報共有先は保護者に加えて友人が多い

15人の女子高校生にワークを用いながらインタビューを行いました。
下図は、自身を中心に、日常的にやり取りしているコミュニティに対して、スマートフォンを用いて位置情報をどのように用いているかを示したものです。
やり取りの多いコミュニティを抜粋して記載しております。
また自身とコミュニティをつなぐ線が、位置情報のやり取りを表しております。
行っている人数によって線の種類を変えており、矢印の向きは位置情報の共有先を示します。
「スマートフォン デフォルト機能」は通信会社やスマートフォンメーカー等によって標準的に提供されている機能を、「アプリ」はInstagram、LINE、whoo your world(Android)/whoo - ふー(iOS)等の位置情報共有が可能なアプリケーションを総称して記載しております。

女子高校生15人中14人が「保護者」と日常的にやり取りをしていると答えました。
「スマートフォン デフォルト機能」と「アプリ」、いずれも活用しているようです。
次いで、15人中13人がやり取りしているのが「友人」でした。「友人」とやり取りをしている13人のうち10人以上が「アプリ」を用いて位置情報を共有しております。

使い始めのきっかけは【帰宅】における情報共有の効率化と安全確保か

家族と位置情報共有をしている高校生の発言を一部抜粋して紹介します。
使い始めのきっかけのひとつに、子どもが保護者にお迎えや帰宅状況を把握するために使い始めるケースがあるようです。

▼高校生の声

「小4、5ぐらいにスマホを持ち始めて、小6でLINEをすごく使うようになった。習い事の帰りに寄り道していたら、親から位置情報を送ってといわれてLINEで共有するようになった」

「小学生のころに親にお迎えを頼むとき、いる場所を伝えるために使い始めた。待ち合わせが楽になった」

「小学生のころに、いとこ(小学生)が使っているのを親が知って使い始めた。親にお迎え頼むか、家にいるかどうかの連絡を省略できて便利。相手がどこにいるか知って安心できる」

「中3か高1ごろに、お母さんが心配症で不安だからアプリを入れてほしいと言われた。小1からスマホは持っていて、それまでは学校・部活との往復しかなかったけど、塾に通い始めたのがきっかけ」

位置情報共有が遊びのお誘いを後押しすることも

保護者との位置情報共有と少し様相が異なるのが、友人です。
こちらも高校生の発言を一部抜粋して紹介します。
待ち合わせの効率化やお互いの信頼感に寄与しているだけでなく、積極的に誘ったり、アクティブになったりと意識や行動の変化にも繋がっているケースもあるようです。

▼高校生の声

「位置状況共有できるアプリが中学生のころに流行っていて、アカウント交換ブームがあった。いまは別のアプリを使っている。待ち合わせの時にこまめな連絡をしなくてよくなったのがすごくラクだし、時間の有効活用ができる。相手のリアルタイムな位置確認できて、みんなどこにいるか見えるからウソがない。信頼感に繋がっている」

「友達にすすめられてアプリをインストールした。お店共有も気軽にできて、アプリ内でやり取りが完結するから便利。待ち合わせの時は友だちが来ている安心感、信頼感がある。自分も、嘘をつかないようになった。以前は、まだ家にいるのに向かっているとか言ったことも」

「みんなが使っていないアプリを、仲のよい子と2人で使うようになった。待ち合わせのやりとりがスムーズになった。家にいるのかがわかって、これまでのように【いま何しているかな、連絡していいかな】と誘われ待ちをせずに、連絡しやすくなった」

「待ち合わせの時の安心感がある。どこで待つか、すぐ来るか、カフェ行こうかなどの行動がしやすくなった。同じアプリ内の地図機能もあわせて使って、行きたいところを探して、友達に自分から声をかけるようになって、前よりもアクティブになったと感じる」

ただし、友人であっても位置情報共有について一長一短があるようで、個人情報漏洩に気を付けている様子も窺えます。

▼高校生の声

「友達から地図アプリの使い方を教えてもらって使ってみた。正直、自分のいる場所を教えるのは嫌。“怖い”が勝つ」

「友達に入れてほしいって言われて、みんなと繋がるためにインストールした。そんなに見ないけど、たまに待ち合わせで活用する。そのままチャットで連絡できてラク。だけど普段は共有しないモードにしていて、そんなに使わない。あまりメリットを感じない」

以前配信した保護者視点の記事において、子どもの安全・安心のためにGPSを用いつつも、不特定多数への個人情報流出といったリスクに対処していることがわかりました。
子ども側も、帰宅において共有したり、みだりに位置情報共有するわけではないことから、上記の保護者の考え方を理解しているといえるでしょう。
このようにリスクを適切に排除しながらも、GPS機能を最大限活用することで、待ち合わせの効率化や当日の予定決め、連絡を取るタイミングの把握など、友人間の交流を活性化することにも繋がっているのかもしれません。

調査概要

調査案件 :GPS(位置情報)に関する調査
調査対象者:自社モニター(女子高校生15人)
調査方法 :デプスインタビュー
調査時期 :2024年4月-7月

調査企画者

林 佑樹