保守終了プリントシール機についての問い合わせが約40倍増に!
2017年に登場した、人気プリントシール機(以下プリ機)『THECANDYSTUDIO』(以下キャンスタ)。2022年6月にメーカー保守期間の5年を迎え、順次稼働停止となっています。
これに先立ち、TikTokで一般ユーザーにより投稿された動画を発端に、『キャンスタ』の継続について、一部のコアファンからのお問い合わせが殺到。2021年2月のプリ機に対する問い合わせ件数が、通常の約40倍に急増する事態となりました。
SNSの動きがアクティブになっている昨今は、消費者によるオンライン署名活動などが活発化する傾向にあります。そこで、今回問合せが急増した『キャンスタ』のコアファンの方をお呼びし、企画開発者との対談を実施。普段の商品開発におけるユーザーコミュニケーションのプロセスに加えて、『キャンスタ』に特化したヒアリングを行いました。
画質の良さよりも「平成ギャル」のエモさが魅力
『キャンスタ』のコアファンとしてお越しいただいたのは、女子高生4名。対する弊社社員は、プリ機の企画開発を担当する社員です。
『キャンスタ』に似てるって言われると期待が大きくなって、撮ってから「違うんだけど」ってなるから、同じ人が作っているって言われた方がいいと思います。
対談から得たメーカーとしての気づき
実際に『キャンスタ』のコアファンと対話をしてみると、以下のことがわかりました。
新商品での「自然」「透明感がある」といった訴求とは逆に、くっきりした画質の「昔のプリっぽさ」や「透明感のなさ」に魅力を感じていた。
ユーザーが感じていた『キャンスタ』の魅力から、最近のトレンドである「高画質」「ふんわり」だけではなく、‟平成ギャル時代”のようなくっきりした仕上がりのプリを求めているユーザーが一定数いるということが判明。
現在多くのユーザーに支持され、開発者がトレンドと認識している商品コンセプトとは異なる方向性の商品を求める層の声を聴けたことで、今後の開発に大いに役立つこととなりました。
開発者としてユーザーの理想をもっと拾っていくために、傾聴するだけでなく「対話」が大切
これまでもフリューでは、プリ機開発の中でユーザーの声を聴き、その潜在ニーズをくみ取る手法を確立して長年運用してきました。しかし今回、ユーザーの声を聴いてお互いに意見を交換する「対話」という形を取ったことで、もう一段階踏み込んだ声をキャッチすることができました。
従来のマーケティング手法のさらなる可能性が期待できる
SNSが活発化した昨今では、少数の消費者があげた商品・サービスに対するリアルな声が広まりやすく、そこから消費者運動に発展しやすくもなっています。それに伴いメーカー側も、商品やサービス開発などのあらゆる企業活動において、顧客の声の高まりを敏感にキャッチすることが求められています。また、ユーザーの声を聴き分析することで、より消費者満足へとつながるサービス提供ができることから、顧客との対話は今後ますます重要性が高まっていくと考えられます。
また、SNS上でみられる消費者の生の声は、エンターテインメントの提供者である我々従業員の「モチベーション」にとっても大きな意味をもつことは間違いありません。会社としてスピーディーにユーザーの声を拾い、積極性を以て対応していくことで、従業員と顧客双方のエンゲージメント向上が期待できます。またそれらは企業価値の向上にもつながっていくことでしょう。
今後の商品、サービスの質を向上させるためにも、社外、社内ともに連携しながら、コミュニケーションの質を高める方法を模索していくことが重要です。