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「メールアドレスで会員登録」できない中学生が50%以上。小中高校生の子を持つ母親を対象に「子供のスマートフォン事情」を調査

2020年09月23日

小中高校生を主な利用者とするスマートフォンアプリやWebサービス市場は今後いっそう拡大していくと思われますが、若年層のスマートフォン利用には保護者が機能制限を設けていることも多いものです。
利用状況を正しく知るために、小中高校生の子を持つ母親を対象に「子供のスマートフォン利用」についての調査を行いました。

2020年6月「中学校へのスマートフォン・携帯電話の持ち込み」を文部科学省が条件付きで容認する方針を固めたというニュースが流れました。
「管理方法を明確にする」などの条件付きではありますが、2009年に「原則禁止」としたところからの大きな方針転換であり、今後の若年層へのスマートフォンのますますの普及と、小中高校生を利用者と想定したスマートフォンアプリやWebサービスの増加が予想されます。

しかし、子供のスマートフォンには保護者が機能制限を設けていることが多く、制限されている機能がログインや購入などで必須とされている場合、アプリやサービスが利用できなくなってしまうというケースが少なからずあるようです。

より多くのユーザーが利用できるアプリ・サービスを提供できるよう、小中高校生のスマートフォン利用状況を正確に把握するため、保護者である母親を対象に調査を行いました。

保有する端末は小学生はキッズケータイ、中学1、2年はAndroid、中3以上はiPhoneが最多

学年別の端末保有状況

いずれかの端末を所持している人限定で現在の保有端末状況を見てみると、小学生はキッズケータイが最多ですが、中学生になるとスマートフォン保有者が一気に多くなります。

興味深いのは中学1、2年生はiPhoneよりもAndroid端末の保有者が多いのですが、中学3年生になるとiPhoneが逆転し、高校生以降は圧倒的にiPhone保有者が多数となっていくことです。

Android端末はiPhoneに比べて端末の価格が安いものも多いため、中学入学のタイミングで保護者が初めてのスマートフォンを買い与える際はAndroidが選択肢になりやすいのかもしれません。数年間使用して機種変更するタイミングになったり、あるいは高校生になって初めてスマホを買い与えられる際は「iPhoneが欲しい!」という希望を出す子供が多いのではないか?と推測しました。

iOS、Androidどちらかを先行リリースする場合、注意が必要

スマートフォンアプリを提供する際は、iOSアプリかAndroidアプリのどちらかを先行リリースしたり、あるいはどちらかしかリリースしない、という選択肢がとられることがあります。

高校生を主なユーザー層と想定する場合は「iOSアプリのみ・あるいは先行」での提供も有効と思われますが、利用できない中学生が多数出てくるということは留意したほうが良いかもしれません。

契約キャリアは全学年でドコモ多数だが、高校1年生のみMVNOが最多

契約キャリア状況

携帯キャリアの契約状況に関しては全学年でNTTドコモが多く、高校1年生以外の全学年で25%から40%の割合を占め最多となっています。
高校1年生のみ、MVNOがNTTドコモを抜いて1位となっているのは、調査を実施した2020年の春に高校生となり、新しくスマートフォンを購入した人はMVNOを選択した率が高かったのではないかと推測しました。

家族割サービスを利用する家庭が多いため、子供の携帯キャリアは保護者の選択する携帯キャリアに拠るところが大きいものと思われます。
MVNOでは音声通話の「時間無制限かけ放題プラン」が提供されておらず、ビジネス利用などで音声通話を多用する場合は大手キャリアを選ばざるを得ないという現状があります。とは言え今後、親世代にMVNO利用の普及が進めば、子供の契約キャリアもMVNOの比率が高まってくるのかもしれません。

小学生4割以上、中学生2割、高校生1割程度は「メールアドレス非所有」

メールアドレスの所有状況

メールアドレスの所有状況、使用状況については、小学生は1~3年生で50%、4~6年生でも41%と半数近くが所有しておらず、「メールアドレスを使用している」と答えたのはわずか17%となりました。

中学生・高校生は学年が進むに連れ「メールアドレスを使用している」人の比率が高くなりますが「所有・かつ使用」している人の比率が50%を超えるのは高校1年生からです。
中学3年生までは5割以上が「メールアドレスを使っていない」ことは、若年層を主なユーザーとしてサービスを展開する際「メールアドレスによるログイン必須」としたり「メールマガジンのみで情報提供」することは、機会損失につながりやすいと言えるでしょう。

「メアド」「電話番号」に比べると「LINE/Twitter連携」の敷居が低い?

「メールアドレスによる登録・ログイン」に代わる手段として「電話番号」や「LINEやTwitterなどのアプリ連携」によるユーザー登録やログインがあります。
メールアドレスと比較して、電話番号やアプリ連携による登録・ログインが、どのように捉えられているかを考えました。

学年別 会員登録時に登録する情報ごとの許容度

小学生ではいずれの手段に対しても「自由に利用させている」比率は低いのですが、今回の調査では「小学1~3年生」よりも「小学4~6年生」のほうが、より厳しく利用を制限されているという結果になりました。

中学生以上に関しては年齢が上がるごとに許容度も上昇していく傾向が見られますが、いずれの学年においても、3つの登録手段の中で最も許容度が高いのは「アプリ連携(いわゆるソーシャルログイン)」となりました。

高2以下はすべてのログイン手段で「利用させていない」「制限している」が50%を超える

メールアドレスや電話番号は、かつて迷惑メールによる詐欺が横行したことなどもあって「個人情報である」という意識が高いのに対し、アプリ連携(ソーシャルログイン)は、登録時に個人情報を入力する手間がないため、気軽に捉えられがちなのかもしれません。

とは言え、高校2年生まではいずれのログイン手段に対しても「利用させていない」「何らかの制限をしている」を選択した保護者が50%以上という現状であり、そもそも「子供のスマートフォン利用」について警戒度が高いご家庭が多数であると言えるでしょう。

ログイン時にIDやパスワードを入力する手間も省けるため、今後もソーシャルログインは広く普及していくと思われますが、小中高校生を対象にアプリ・Webサービスを提供する際は、登録・ログイン方法に限らず、保護者の方を不安にさせないサービスを提供することが求められるのではないかと思います。

調査概要

調査方法:株式会社リサーチパネル会員へのインターネットアンケート
調査対象者:女子小中高校生を持つ30歳~59歳の母親
調査日:2020/5/11~2020/5/13