プリントシール機シェアNo.1*のフリュー株式会社の調査機関「ガールズ総合研究所」によるガールズ実態調査メディア

*2021年夏 自社調べ

  • ホーム
  • 自主調査
  • コロナ渦で利用が伸びるか?オンラインクレーンゲームの利用動向を調査

コロナ渦で利用が伸びるか?オンラインクレーンゲームの利用動向を調査

ゲームセンターのみならずショッピングセンター等多くの場所で遊べることもあって、クレーンゲームは老若男女に広く知られているゲームのひとつです。スマートフォンの普及に伴ってクレーンゲームをオンラインで遊べるサービスが10年ほど前に始まり、近年は大手企業も参入する市場となりました。
オンラインクレーンゲーム市場が今後も拡大していく可能性を探るため、利用動向について調査を行いました。

オンラインクレーンゲームとは、スマートフォンアプリやブラウザを通じてクレーンゲームを楽しむサービスです。クレーンゲーム機にカメラが多方向から設置してあり、操作の際に臨場感が味わえる工夫がされています。プレイに必要なポイントを購入し、実機さながらのプレイを楽しみ、獲得した景品は指定した住所宛てに送付されます。
ログインボーナスなどでプレイに必要なポイントを無料で貯めることができたり、獲得した景品の配送が無料等、サービスにより異なる特色があるようです。

一方ゲームセンターの店舗数は年々減少し、大規模店舗への集約が進んでいることから、地域によってはクレーンゲームを遊べる場所自体が減ってきている状況です。
ところがコロナ渦でのステイホームの影響もあってか、オンラインクレーンゲーム市場の勢いは衰えず、2021年には複数の運営企業がテレビCMを放映しました。オンラインクレーンゲームはアミューズメント業界の新たな一翼を担いうるのか、利用者層や利用動向について調査を行いました。

クレーンゲームを実際にプレイを楽しんだ場所で「オンライン」が3位に

「直近1年以内でクレーンゲームを遊んだか」についての結果を見てみると、15歳~19歳では男女ともに50%をを超えますが、20代以降の世代ではプレイ率は下降していき、40歳~49歳では男性35.7%、女性29.6%まで下がる結果となりました。
利用者の中心が若年層であると言えますが、40代以上でも男女共3割前後の人が遊んでおり、年齢や性別に縛られることのないゲームだと言えるでしょう。

「実際にプレイを楽しんだ場所」は「ゲームセンター(実店舗)」が最も多く、2位の「ショッピングセンター」も含めまだまだ実店舗が強い状況といえますが、「オンライン」利用はこれに次いで3位となりました。
全体で見ると1位の「ゲームセンター(実店舗)」で遊んだことのある割合が29.5%、「ショッピングセンター」が19%、次いで「オンライン」が7.9%という結果となっています。

スマホからのお手軽プレイ+コロナ渦で利用急伸か

オンラインクレーンゲーム利用者へ「オンラインのみ・オンライン以外」の併用状況を聞いたところ、5〜7割が「オンラインのみではなくゲームセンターでも遊んでいる」という結果となりました。
既にオンラインと併用して遊んでいる割合が半数以上いることから、普段からゲームセンターなどでプレイしているユーザーが、オンラインでも満足して遊べる仕組みが作られているとも言えそうです。

「オンラインのクレーンゲーム、いつ頃から遊び始めましたか?」という質問に対して、2021年8月の調査時点で「半年以内」「1年以内」「1年半以内」と答えた人の合計が、全世代で5〜6割を占めるという結果になりました。つまり2020年2月以降に利用を始めた人が半数以上であるということになります。
ひとつ前の質問の「オンラインとの併用状況」の結果とあわせて考えると、コロナ禍で外出しづらい期間が続く中、新しい余暇時間の使い方としてオンラインクレーンゲームの利用が急増したと言えるのではないでしょうか。

ゲームセンター利用者、オンラインクレーンゲーム利用者それぞれに利用頻度を聞いた結果、週1回以上遊んだ人の割合は、どの世代でもオンラインのほうが多いことがわかりました。
特に15歳〜19歳(22.6%)では16.6pt、40歳〜49歳(36.8%)では25.4pt、オンラインで利用している人の割合が多い結果となっています。
クレーンゲームに触れている頻度という点では、実店舗よりもオンラインのほうが身近だと言えるかもしれません。スマホ(アプリ含む)やWEBブラウザから気軽にプレイ出来る点はオンラインゲームの大きなメリットです。
前出の「直近1年以内でクレーンゲーム遊んだ割合」では40歳〜49歳のプレイ率は他の世代より低い結果でしたが、この年代のオンラインでの利用頻度は高いことがわかります。ゲームセンターに足を運ぶことの少なくなった40代以上にとっては、オンラインで気軽にプレイできる点がメリットになったと言えるでしょう。

「直近1年以内に遊んだ際に、1日あたりに使った平均金額」については、どの年齢層も「500円〜1,000円未満」が最多という結果になりました。
10代であってもほとんどの回答者がオンライン、ゲームセンター問わずお金を払って遊んでいることが伺えました。
理由としては「もともとゲームセンターで有料で遊んでいたから課金への抵抗が低い」ことや「オンラインクレーンゲームは実際に景品が家に届く」ことなどが考えられます。
オンラインクレーンゲーム以外のスマートフォンゲームでは、ゲームクリアや勝利のボーナスが、実際に手元に届くことはまれではないかと思います。また「ガチャ」を回すことによってゲーム内キャラクターを強化するなど、高額課金につながりやすい側面もあります。
オンラインクレーンゲームは、その他のスマートフォンゲームと比較すると「自分のテクニック次第で景品を手に入れられる」喜びがあり、自由に使える金額が少ない10代のユーザーでも数百円単位であれば課金のハードルが低いのかもしれません。

オンラインでプレイする良さは「手軽さ」「場所を問わない」こと

実店舗、オンラインそれぞれについて、遊んでいる際に感じられる「よいと思うところ、好きなところ」について聞くと、実店舗では「面白い・楽しい」「景品が取れる喜び」「臨場感がある」等、その場で取れるリアリティが評価されている結果となりました。
オンラインでの良いところは「手軽さ」「場所を問わない」と、自宅でもできるという点で評価されているようです。本気で景品を手に入れたい人には人目を気にせずに集中できる等、実店舗ではやりにくいことに対するメリットも多くあるでしょう。新しい利用シーンの提供や確立によってオンラインクレーンゲーム業界がさらなる広がりをみせるかもしれません。

30代以下の興味度は約50%。オンラインクレーンゲームへの興味は高まりつつある

実店舗を利用しているユーザーに対してオンラインクレーンゲームの興味度を調査しました。「興味がある」「やや興味がある」を足した割合について、15歳〜29歳では5割を超えますが、30歳〜39歳、40歳〜49歳では4割以下と下がります。20代以下のほうが、伸びしろがあると言えます。

「興味がある」「やや興味がある」と答えた方からはこのような意見がありました。

・クレーンゲーム自体が好きなので、行かずにオンラインで出来るものが気になった。(女性・15~19歳)
・実際にプレイするのとオンラインでプレイするのとではどう違うのか気になるから。(女性・15~19歳)
→クレーンゲーム自体が好きで、オンラインでもプレイしてみたいというもの。

・YouTubeでSnowManがやっている動画を見た事があるから。(女性・15~19歳)
・動画などで見たことがあり、面白そうなため。(男性・30~39歳)
・弟がしてたのを見た時に1回やらせてもらった時意外と面白かった(女性・15~19歳)
→芸能人やYouTuber、身近な人から影響を受けることもあり。口コミで広がりやすい新サービスであるかもしれません。

・本当に景品が取れるのか、きちんと配送してもらえるのか、オンラインで見た通りの景品が届くのかなど疑問があるから。(女性・40~49歳)
・コンピューター内蔵なので、中で操作されてるようだから信用出来ない。(男性・40~49歳)
→興味はあるものの実際に景品が届くのか、設定に不安があるという声も。

コロナ渦によってライブ配信や様々なサービスがオンラインに対応したこともあって、新しいサービスをオンラインで体験することへの抵抗がなくなってきている影響もありそうです。
興味を持っている層をオンラインでのプレイにスムーズに誘導できるよう工夫したり、きちんと景品が届くかなどの懸念点をクリアにできれば、幅広い層がもっと安心してオンラインクレーンゲームを楽しめるようになり、今以上に市場が盛り上がっていく可能性があるのではないでしょうか。

オンラインクレーンゲーム市場は一定の規模を持って続いていく可能性が高い

クレーンゲームが大好き!というコアユーザーから暇つぶしで遊ぶライトユーザーまで、コロナ禍における外出規制のなか、自宅で気軽に遊べるオンラインクレーンゲームに注目が集まったことは想像に難くありません。
各参入企業も、ゲームセンターに足を運びにくい状況の中でオンラインクレーンゲームを積極的に打ち出し、知名度やユーザーは増えているようですが、現状では実店舗で遊ぶほどの面白さを感じている人は少なく、あくまで店舗での遊びの代替に留まっているような印象を受けました。

ゲームセンターとオンラインの併用が多く見られることから、外出規制がないとしても、今後自宅での暇つぶしやちょっとした空き時間にプレイするゲームとして、定着していく可能性は十分に考えられます。
幅広い世代にとって馴染みのあるゲームであり、その他のオンラインゲームと比較して課金のハードルが低いことなどからクレーンゲームの大手企業もオンラインに参入しています。それによってユーザーの不安や疑問も徐々にクリアになっていくのではないでしょうか。
2022年以降もオンラインクレーンゲーム市場は一定の規模を持って続いていく可能性が高いでしょう。

調査概要

調査対象者:15~19歳の男女944名
調査方法 :インターネットリサーチ
調査時期 :2021年8月11日~8月15日

執筆者

林 佑樹